1年で株価10倍、「オリゴ糖食品」急成長の裏側 北海道発ネット通販企業「北の達人」が爆進中
株価が10倍に大化けする銘柄を「テンバガー」と呼ぶ。昨年の1年間だけでそのテンバガーになったのが、北海道に本社を置くネット通販企業、北の達人コーポレーションだ。健康食品や化粧品を自社サイトを中心に販売している。昨年、北の達人の株価は11.6倍に急騰し、上昇率は全上場銘柄中トップだった。
今年1月末以降、株式相場全体が調整局面入りする中でも北の達人株はいち早く立ち直り、10連騰を経て4月9日には新高値の1105円を記録した。この新高値を2012年5月の上場初値と比べると、実に200倍を超える(株式分割調整後)。
4月13日に発表した2018年2月期決算は、売上高が前期比2倍近い53億円弱、営業利益は同2.5倍超の14億円だった。2017年2月期までの4年間で売上高、営業利益ともほぼ2倍になったが、2018年2月期はたった1年で同等の成長を達成した。この成長加速の秘密は、いったいどこにあるのか。
北海道産“わけあり”商品の通販から始まった
北の達人は、木下勝寿社長が、2000年にカニやメロンなど北海道特産品のネット通販サイトを立ち上げたのが始まり。2年後には現在の前身となる会社を設立した。当時ヒットしたのが「北海道わけあり」と名付けたサイトだった。脚の折れたカニなどを格安価格で販売し、多くの注目を集めた。ところが注目度の割に売り上げは伸びず、長続きしなかった。後追いする競合企業が続出し、あっという間に過当競争となったからだ。
試行錯誤を繰り返すうちにたどり着いたのが、健康食品や化粧品だった。たまたま北海道産のビート(甜菜)を使った商品が好評を博し、この中に含まれるオリゴ糖が注目された。これが現在の主力商品で、便秘などに効く健康食品「カイテキオリゴ」の誕生へとつながった。
カイテキオリゴを発売したのは2006年。だがその後は品質を重視したため、新商品の投入ペースはゆっくりだった。2つ目の商品の投入は2009年で、その後も新商品は年間2~3種類止まり。ようやく、2017年2月期に8種類、2018年2月期には6種類の新商品を投入できるまでに開発が進み、新商品の多くが一定の人気を得て、現在の快進撃につながっている。
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