若い会社なのに高収益で新卒も辞めない54社 カカクコムは営業利益率46%で新卒離職ゼロ

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新卒社員が辞めない会社を選ぶ指標として、新卒社員の3年後離職率を選んだ。厚生労働省の統計では、平均の3年内離職率は30%を超えているが、ここでは20%以下であることを基準にしている。また、順調に利益を稼ぎ出している指標として、直近本決算の売上高営業利益率がプラスであることを条件にして、会社をピックアップ。そのうえで売上高営業利益率が高い順にランキングした。

対象は、『就職四季報 優良・中堅企業版2019年版』掲載の4761社のうち、「3年後離職率」に回答があり、設立年月日が1996年以降で営業利益の数値がある193社。なお、設立年は株式会社として登記された日を基準とし、会社分割で設立された会社や、持ち株会社制移行によって設立された会社は除外した。個人事業や有限会社として創業された時期が1996年以前である場合もある。調査時点は原則2017年9~10月のため、決算数字はその時点で終了したものであることをご了承いただきたい。

カカクコムは秋葉原のPC価格調査をヒントに起業

1位に立ったのは日本最大の価格比較サイト「価格.com」を運営する、カカクコム(2000年設立、売上高営業利益率46.9%)だ。日本最大級のグルメ情報サイト「食べログ」も運営しており、就活生にも馴染みがある会社の1つだろう。

会社の沿革を見ると、「価格.com」は、PC周辺機器メーカーに勤務していた創業者の槙野光昭氏が、秋葉原の電器店を回り製品の店頭価格を調べる業務の中で、PCの価格情報を、インターネットを通じて提供することにニーズがある、と発想したことが出発点だったという。

創業当初は手作業で登録していた価格情報を、販売店側が直接登録できる仕組みを開発したり、利用者が口コミ情報を登録・共有できる仕組みを取り入れたりと、さまざまなサービスを展開して急成長を遂げた。現在では、製品を購入したりサービスを受けたりする際に、ネット上で口コミ情報を調べたり、価格を調べたりするのは当たり前となっている。日本人の消費行動を変えるきっかけの1つとなった企業といえるだろう。

優良・中堅企業版に掲載した、全社の売上高営業利益率の平均は6.2%なので、この会社の利益率(直近3期平均でも47.0%)は驚異的な数字だ。3年後離職率も0.0%と、まさに「新卒社員が辞めない会社」といえる。

カカクコムの収益は、展開するWebメディアに情報を掲載している企業からの手数料収入が中心だが、同種のビジネスモデルを展開するネット情報サービス事業者では、店舗情報サイト「エキテン」を展開する4位のデザインワン・ジャパン(2005年設立、29.9%)や、宅配ピザなどの出前フードを中心としたWebサイト「出前館」を運営する15位の夢の街創造委員会(1999年設立、16.2%)、医療・介護系を中心とした求人サイトを運営する18位のグッピーズ(2000年設立、15.0%)などがランクインしている。

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