日本の自動車産業、生き残り策は見つかるか

経産相主催の会議発足、新技術にどう対応?

初会合にはトヨタ自動車の豊田章男社長も出席した(中央)。2017年にマツダとの資本業務提携を発表する会見では「海図のない戦いが始まっている」と述べ、変革期に真っ直中にいる危機感を語っていた(記者撮影)

日本の自動車産業は「系列(ケイレツ)」と呼ばれる自動車メーカーをトップにした垂直統合型で、部品間の微妙な「すり合わせ」を得意としてきた。しかし、現在では、自動車の電動化が進み、モーターやバッテリーなど電子制御分野や電機分野に強い企業が次々に参入してきている。自動運転技術ではグーグルなど新興のIT企業の躍進が目覚ましい。

日本車メーカー自身、「日本があたかも優れていると思ったら置いて行かれる」(川口専務)という危機感を抱いている。会議の委員である、コンサルティング会社・経営共創基盤の冨山和彦CEOは「日本はそれぞれのメーカーが自前主義で進めて、競争してきた。しかしこれからはトップダウンで協調領域を探し、進めていかなければならない」と話す。

協調領域と競争領域の線引きで揺れる 

経産省内でも、モデルベース開発(MBD)の各社間のすり合わせを目指す研究会を設置したり、各電池メーカーが参加する技術研究組合に補助金を投入したりするなど、すでに協調領域の拡大に注力している。

自動運転システム開発で用いられているコンピュータ上でのシミュレーション(写真:dSPACE)

MBDはコンピュータによるバーチャルシミュレーションを用いた設計、検証、量産化を行うための開発手法だ。ただ、現在、各社の手法はばらばらだ。

シミュレーションのモデルが共有できれば、サプライヤーの技術をメーカーが開発段階で試すことができるようになり、開発工数やコストの大幅な低減につなげられる。その結果、メーカー各社は今後さらに高度化する自動車の開発に資金を投入できるメリットがある。

経産省は基本的な設計手法を標準化するべく、ガイドラインを作成している。2016年から開始し、サプライヤーを含めて10社が共同で取り組む。今後このガイドラインをグローバルに展開するべく、欧州政府や現地企業にも提案を進めている。

その中で、「日本の競争領域を心理的に協調領域に持っていくことが、一番難しいところ」と話すのが、同プログラムの事務局を務めるデロイトトーマツコンサルティングの北川史和執行役員だ。全社のビッグデータ(フィードバック)をメタ化し、自動車の開発に生かす手法は、欧州などで先行して用いられている。

しかし、日本メーカー各社は「秘伝のたれ」であるこだわりの技術やデータを提供したくない。これをどこまで許すかが、各社の悩みの種だ。

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