日本の自動車産業は「系列(ケイレツ)」と呼ばれる自動車メーカーをトップにした垂直統合型で、部品間の微妙な「すり合わせ」を得意としてきた。しかし、現在では、自動車の電動化が進み、モーターやバッテリーなど電子制御分野や電機分野に強い企業が次々に参入してきている。自動運転技術ではグーグルなど新興のIT企業の躍進が目覚ましい。
日本車メーカー自身、「日本があたかも優れていると思ったら置いて行かれる」(川口専務)という危機感を抱いている。会議の委員である、コンサルティング会社・経営共創基盤の冨山和彦CEOは「日本はそれぞれのメーカーが自前主義で進めて、競争してきた。しかしこれからはトップダウンで協調領域を探し、進めていかなければならない」と話す。
協調領域と競争領域の線引きで揺れる
経産省内でも、モデルベース開発(MBD)の各社間のすり合わせを目指す研究会を設置したり、各電池メーカーが参加する技術研究組合に補助金を投入したりするなど、すでに協調領域の拡大に注力している。
MBDはコンピュータによるバーチャルシミュレーションを用いた設計、検証、量産化を行うための開発手法だ。ただ、現在、各社の手法はばらばらだ。
シミュレーションのモデルが共有できれば、サプライヤーの技術をメーカーが開発段階で試すことができるようになり、開発工数やコストの大幅な低減につなげられる。その結果、メーカー各社は今後さらに高度化する自動車の開発に資金を投入できるメリットがある。
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