特別仕様車まで造るトヨタディーラーの凄み 名物経営者がディーラー業界の未来を占う
ディーラー業界の構造に劇的な変化は当面ない
――自動車業界は電動化や自動運転など100年に1度の変革期にあります。ディーラーも変革期にありますか。
今の変革は技術領域が中心で、ディーラーの業界構造が大きく転換することは当面考えられない。理由は4つある。
1つ目は自動車メーカーが専売制を採り、メーカーごとに流通網があることだ。多くの流通網がある家電業界と違い、専売ルートを通じてしか販売を行えない。
2つ目は道路3法と呼ばれる道路交通法、道路運送車両法、道路運送法があるということだ。自動車は車検制度に基いた点検を数年に一度必ずしないといけない。ディーラーは運輸支局から指定工場の資格を得ていれば、車検場に車両を持ちこまず車検業務を行うことができ、車検需要を取り込むことができる。
3つ目は自動車の保有台数だ。つい最近まで増え続けてきたが、水平飛行に入った。しばらくすると少しずつ減る。だが、現状では、新車で購入した顧客は平均8年ぐらい乗っており、今後も保有については底堅いものがある。そして4つ目は、それだけの保有台数に対してサービスを行える人員が確保されているということだ。
以上4つのディーラー地盤があり、この構図が生きているうちは劇的な変化が起きようがない。
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