米国人が離婚しなくなったのは「愛」が理由か

離婚率が過去40年間で最低水準に

もっとも、父親がいたところで事実上破綻している家庭もあることから、スタントンさんは「必要なのはよい家庭環境だ」と強調する。こうした中、彼女は家族カウンセリングなどを利用しながら、夫とよりよい関係を構築することに尽力しているという。

「従来の結婚」とは違う夫婦のあり方を模索する人たちが増えていることも、離婚率低下につながっているという見方もある。

「ペアレンティング・マリッジ」という新概念

たとえば、スタントン夫妻は、離婚を回避する策の1つとして、「ペアレンティング・マリッジ(子育て結婚)」という概念を受け入れようとした。これは、『Contemplating Divorce(離婚を熟考する)』などの著書で知られるスーザン・ピース・ガドウア氏が提唱するもので、自らの立場を「恋人、親友、共に子どもを育てる親を兼ねた配偶者から、何はともあれ共に子どもを育てる親へと変更する」ものだ。ちなみに、同氏によると、「親友という立場に変更することはできるが、恋人であり続けるのは難しい」。

ガドウア氏はこの8年間、米国中の多くのカップルを「伝統的な結婚から、この非伝統的な、同種だが別の形の結婚」へと移行させてきた。多くの人は、愛と親密さを取り戻そうとするよりも、同居人かつ共に子どもを育てる親として共存できるほうがうまくいくことがわかっている、という。

それでも、「結婚の精神」を取り戻したいと考えるカップルにとっては、結婚セラピストの存在が大きいかもしれない。実際、マディソン夫妻も離婚しないと決めた後、セラピストを訪れた。そして、お互いの思考のクセを直し、再び愛し合うことを学ぶにはどうしたらいいかを学んだ。

その後、夫妻はカップルとして2人きりで過ごす時間を増やして、お互いにより触れ合うようにし、互いの不機嫌の「引き金」は何かを把握する努力をした。以前の夫婦げんかは戦争の様相を呈していたが、今では相手が自分の意見に同意しないことも受け入れ、気持ちを切り替えることができるようになったという。

離婚率が低下したもう1つの理由としては、ミレニアル世代のように結婚自体をしない、あるいは、結婚する年齢を遅らせる人が増えたこともある。

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