日米会談は安倍首相の命取りになりかねない トランプ大統領との蜜月はもう終わっている
会談では、北朝鮮問題についての発言も注目される。日本の政府関係者は、トランプ大統領が北朝鮮との協定を受け入れ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発計画をやめたとしても、日本を脅かす中距離ミサイルはそのまま残すことを危惧してきた。
新たな懸念もある。韓国政府主導の関係強化の動きを受け、金委員長と首脳会談を持つという驚きの合意が発表されたためだ。先週の米上院の指名公聴会で、次期国務長官に指名されたマイク・ポンペオ氏が、米国の脅威を終結させる政策目標を述べたことを、日本の政府関係者は聞きもらさなかった。
同盟国が不安になるときがやってきた
北朝鮮に長年かかわってきた元米高官からは、北朝鮮との協議に対する不安の声も少なくない。
「トランプ大統領にとって北朝鮮からの核の脅威は、同盟国やパートナーだけでなく、米国自体を守る極めて重要な問題といえる」と、国務省元当局者のエバンス・リビア氏は分析する。「あけすけの国家主義と『米国第一』を基本原則とする大統領が、これからほぼ米国に対する脅威のみに的を絞る可能性の大きさについて、過小評価すべきではない」。
「上院でのポンペオ氏の発言は、こうした考え方を明言したものといえなくもない。そうであれば、大統領が間近に迫った米朝首脳会談について、なぜあんなに楽観的なのか説明がつく。同時に、米国の同盟国が不安になるときがやってきた、ということだ」(リビア氏)。
こうしたなか、安倍首相がほしいのは、「日本の声は十分届いており、置き去りにするようなことはない」との口頭による確約であり、トランプ大統領にそれを求めることは間違いない。そして、その確約を得られる可能性も高い。国家安全保障アドバイザーとしてジョン・ボルトン氏が任命されたことも、ある程度の安心感につながる。
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