ジーユー、じわり復活でも満足できない理由 「売上高1兆円」を目指すが、ハードルは高い
ブランド立ち上げから10周年の記念すべき年であった昨年度、大幅減益という悔しい結果で終わったGU(ジーユー)。商品開発や売り場づくりで抜本的なテコ入れを進める中、回復の兆しが見えてきた。
4月12日に発表されたファーストリテイリングの2018年8月期上期決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益が1兆1867億円(前年同期比16.6%増)、営業利益1704億円(同11.9%増)と、増収増益で着地した。いずれも同社の上期実績としては過去最高となる。
国内外のユニクロが好調
好調な業績を牽引したのは国内外のユニクロ事業。特に積極出店を続けている中国や東南アジアなど海外の伸びは著しく、今期のユニクロの売上高は初めて国内を海外が上回る見通しだ。柳井正会長兼社長は決算説明会で、「世界中の人々にわれわれの商品が受け入れられると思っている。そういう可能性を実感している最中だ」と、海外事業の手応えを語った。
国内のユニクロも、記録的な厳冬によりヒートテックやダウンが好調で、想定を大きく上回った。ファストリは同日、通期の業績予想を売上収益2兆1100億円(前期比13.3%増)、営業利益2250億円(同27.5%増)に上方修正。前期に続き、最高益を更新する計画だ。
ユニクロ絶好調の裏で、存在感が薄かったのがジーユーだ。同事業の2018年2月期上期決算は、売上収益1058億円(前年同期比8.3%増)、営業利益91億円(同23.3%増)。防寒アイテムが少なく十分に需要を取り込めなかったため、既存店売上高は前年同期をやや下回ったが、新規出店が寄与して増収となった。値引き処分も減り、利益は大幅に改善した。
ジーユーは2006年、ユニクロよりも低価格帯の弟分として出店を開始。2009年に発売した「990円ジーンズ」がヒット商品となり、2011年ごろからファッショントレンドを重視した戦略にシフトしていった。
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