ツイッタービジネスは、どう進化するのか? モバイル化、テレビとの融合、そして、リアルタイム

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リアルタイムを使いこなせるか

ツイッターのリアルタイム・インフラとしての発展とユーザーの使いこなし方、楽しみ方のスピードは非常に速い。一方で、情報を発信するメディアや広告、こうしたパワーを活用したい政治家などが、どうリアルタイムなメディアと付き合うか、は難しい問題だ。

前述のウィカー氏は、リアルな現場にツイートを表出させる取り組みが、リアルタイムのメディアを理解したり、活用方法を考えたりする上で非常にわかりやすいのではないか、と指摘する。

例えば、ツイートと音楽を連携させるライブイベントやファッションショー、あるいは党大会などのように、人が集まる場所の大きなスクリーンにツイートを表示させる取り組みは、(単純なアイディアのようだが)リアルタイム性の楽しさを理解するのに十分な体験だ。

こうしたリアルタイム・インフラを生かすアイディアを、全てツイッターだけで考えようとしているわけではない点も面白い。コラボレーションを前提として、新しい使い方のアイディアの芽を発見し、そこに投資するという動き方は、興味深いサービスやビジネスモデルを生み出す方法になるのではないだろうか。

ツイッターがモバイルを前提にサービスを考えているのは、「多くの人が、モバイルを使っているから」とウィカー氏は語っていた。

モバイルからリアルタイムな情報を受け取って、どんな面白いことが起きるのか――それをツイッターはユーザーさらには広告主に対して、より強くアピールしていく必要がある。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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