アップル「100%再生エネルギー」の深い意義

難関だった日本でもついに「100%」に

「アップルの取り組み方は、施設がある同じグリッド内にクリーンエネルギーの電力開発を行う形で、消費する電力を再生可能エネルギーに転換しています。電力開発には、太陽光や風力など、複数の方法で取り組んでいます。またこうした再生可能エネルギーをその地域のコミュニティで活用しやすくするオプションを提供するプロジェクトを、世界で展開しています」

そのため、米国国内だけで世界中のクリーンエネルギー使用分を購入すれば良いわけではなく、各国でのクリーンエネルギー電力開発の取り組みを進めていかなければならないことを意味している。

2017年に供用を開始した新しい本社、「Apple Park」はその象徴的な存在。巨大な円盤状の建物の屋根には17MWのソーラー発電設備を備えており、加えて4MWのバイオガス燃料電池と蓄電設備が備わっている。施設内での使用量が低い場合は、周辺地域のグリッドに電力供給をする。

また米国内では、データセンターが設置されるアイオワ州、オレゴン州、ネバダ州で、200〜320MWのクリーンエネルギープロジェクトが進行中だ。

中国では6省にわたる485MW以上の発電量を誇る風力と太陽光の発電プロジェクトが行われたほか、デンマークにある2つの新しいデータセンターも、初日から100%再生可能エネルギーで稼働している。

日本でのクリーンエネルギーの確保は難しかった

世界各国で再生可能エネルギーへの転換が同時進行する中、日本でのクリーンエネルギーの確保は難しかったという。国土が狭く、米国や中国のような巨大な発電所の設置余地が乏しいためだ。そこで同じように国土が狭いシンガポールと同様の手法を採用した。

国土の狭いシンガポールや日本では、ビルの屋上をソーラーパネルで敷き詰めて再生可能エネルギーを確保するアイディアが用いられている。写真はシンガポールでの事例(写真:アップル)

昨2017年、「第二電力」とのパートナーシップによる300ものビルの屋上への太陽光発電パネル設置によって、年間18000MWhのクリーンエネルギー電力を確保。これによって、日本での企業活動の100%再生可能エネルギー転換を実現できた。

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