ムロツヨシが語る「仕事で成功できない人」 夢を叶えた僕は20代で「助けて」って言えた

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「ちょうどその頃、何もなくなっちゃったんです。次に出る芝居も、覚える台詞も。あの時の僕にあったのはバイトしながら淡々と過ぎていく毎日だけ。それが心底嫌になって、やっと気づいたんです。『ああ、一人じゃ何もできないんだ』って。

若いうちほど、自分はすごい人間だって思われたいものでしょ? でも、実際は何もできない。だから、仕事を通して何かを成し遂げたいと思うなら、なおさら誰かの力を借りることが必要です。人生のどん底を味わうまで、僕はそんな当たり前のことに気づけませんでした」

一人でできないことも、二人ならできる。チームになれば、もっと大きなことができる。そう意識し出した途端、人生が変わり始めた。今では「周囲の人に甘え過ぎて、逆に皆から距離を置かれている」とムロさんは冗談っぽく笑う。

“一生懸命な想い”がない人には手を差し伸べてくれない

仕事を成功させる、目標を達成する、夢を叶える……いち早くゴールに向かうためのカギは、周囲の協力を仰ぐことだ。でも、かつてのムロさんのように、人に何かをお願いするのが苦手な人は多いのではないだろうか。後輩に一つ仕事を頼むのでも気が引けてしまう、なんていう女性もいるかもしれない。では、周囲の人を自然と巻き込んでいくにはどうしたらいいのだろう?

一生懸命想いを伝えることは絶対に必要(写真:Woman type)

「一生懸命想いを伝えること。それは絶対必要ですね。『自分のやりたいことはこうです!』って、下手な言葉でもいいからありったけの想いを伝える。これがないと、何も始まらない」

小賢しいテクニックなんて一切不要。相手が上司や先輩であれ、後輩であれ、“一生懸命な人”に、人は手を差し伸べたくなるものだ。

「あとは、人にいっぱい相談して、助けを求めてみてください。自分の悩みを打ち明けるという行為は、相談相手に『僕はあなたを信用していますよ』と伝えることと同義。だから、相談された側の人は絶対悪い気がしないし、『そこまで本気なら』とひと肌脱いでくれる。若いうちは強がってしまうことが多いけど、何もできない自分を認めて人に助けてもらうことも大事です。弱いところを隠さず自己開示していくことが、人から信用される第一歩かなと思います」

ちっぽけな虚栄心は捨てること。何でも一人でやろうとせず、周囲の人を信頼して頼ること。人が手を差し伸べたくなるような“熱い人”でい続けること。20代でこの3つの視点に気づき、日々の仕事の中に落としこむことができるようになってから、ムロさんの躍進は始まった。

周囲からの信頼も厚く、プロフェッショナルとして安定した地位を築いたように見えるムロさん。10代から追いかけ続けてきた夢を叶えたとも言える今、仕事への原動力となっているものは何なのだろうか。

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