「死んでいる会社」に足りない4つの新陳代謝 「赤字事業、ムダを放置…」御社は大丈夫?

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業務に潜む「3つのリスク」の1つ目は「膨張」である。

業務は「膨張」「滞留」「過剰」になりがち

業務は放っておくと、会社の成長とともに、業務がどんどん増える「業務の肥大化」、自分のやり方や経験則に固執する「業務の個別化」、革新や進化が生まれない「業務の陳腐化」が社内で進みがちだ。

また、業務には「滞留」のリスクもある。業務と業務がうまくつながらず「滞留」することで、業務そのものを片付けるのにさほど時間はかからないのに、意思決定・判断や内部調整、つまり「意思決定や判断の在庫」が仕事のスピード感を大きく毀損しているのだ。

3つ目のリスクは「業務の過剰」である。これは「過剰品質」や「過剰サービス」など日本企業によく見られる特徴である。厄介なのは、現場で働く社員たちはよかれと思って行っていることだ。「業務の過剰」が現場に定着し、「やりすぎはよいこと」とする風潮は、いまだに多くの企業で残っている。

こうした「業務に内包する3つのリスク」に対して、「業務の新陳代謝」を進めることが重要になるが、多くの会社では「業務の新陳代謝」を一過性で終わらせてしまいがちだ。「生きている会社」であり続けるためには、「業務の新陳代謝」は日常的に取り組まなければならないのである。

【3】いったんつくった「組織」をなくせない

新陳代謝の3つ目の対象は「組織」である。「死んでいる会社」ほど「組織の新陳代謝」が苦手である。

人は「組織」をつくりたがるものだ。組織をつくるのは人の本能である。

しかし、「死んでいる会社」に限って、いったんつくった組織を、なかなかなくせない。組織を存続させるために、たいして必要とも思えない機能や業務をつくり出し、組織を防衛しようとすることも多い。いつの間にか「組織の存続」そのものが自己目的化してしまう。

一方で、「生きている会社」の組織は、つねにスリムでコンパクトである。一度つくった組織はそう簡単に潰せないので、安易に組織をつくらない。役割を終えた組織はただちに解散し、定期的に機能集約、業務集約の見直しをする「組織の新陳代謝」を行っている。

組織は一度つくると固定化してしまう。そして「見えない壁」をつくり、「タコツボ化」しがちだ。それが会社の生産性や効率性を毀損させる。「シンプルかつ大ぐくり」にするのが、組織設計の基本なのである。

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