「在宅ワーク」が働き方の新スタンダードだ うるる星知也代表にロングインタビュー
朝倉:なるほど。BPO事業では収益性が確保できないということではなく、ビジョンが達成出来そうにないという理由で、クラウドソーシング事業を着想されたわけですね。
星:その通りです。当時はまだクラウドソーシングという言葉はなかったのですが、2007年にマッチングサイト「シュフティ」を作りました。現在では37万人の在宅ワーカーに登録して頂いております。
朝倉:他社のクラウドソーシングサイトと「シュフティ」にはどのような違いがありますか?
星:他社様は、高度な案件が多い傾向にあります。フリーランスのワーカーが本業として扱うようなデザインやプログラミングの案件です。「シュフティ」の登録者は20代から40代の女性で8割程度を占めています。「シュフティ」は、名前の通り、いわゆる主婦の方が多いサイトです。そのため、すきま時間を使ってそれほど難度が高くない仕事がしたいという需要が強いのです。データ収集やコール業務なども人気があります。
朝倉:コール業務というのは例えばテレアポのようなものですか?
星:そこまで複雑なものではなくて、たとえばDMの到着確認電話などの自宅で行える簡易的なものです。機器のメンテナンスや受注をするようなコール業務は、在宅ワークではなかなか難しいのですが、「DMを送りましたが届きましたか?」とか「明日の何時に頂いているご予約に変更はございませんか?」というような確認コールは特別な訓練や経験がなくてもこなせます。
在宅ワーカーのチカラを自社プロダクトに結集
朝倉:2007年に「シュフティ」によってクラウドソーシング事業が始まったところまで伺いました。そこからCGS事業を始めた経緯を教えて頂けますか?
星:2008年にCGS事業を始めました。CGSというのは、“Crowd generated service”を略した造語です。これは、私たち自身が、在宅ワーカーの労働力を活用したプロダクトを作っていこうという試みです。例えば、「入札情報速報サービスNJSS(エヌジェス)」があります。これは、データベース化された全国の官公庁や自治体の入札情報を一括検索できる月額制のWebサービスです。