「在宅ワーク」が働き方の新スタンダードだ

うるる星知也代表にロングインタビュー

:そして、アルバイトや派遣という働き方が現在ではスタンダードであるように、在宅ワークをスタンダードな働き方にしようと考えたのです。現在はAIに注目が集まっていますが、「人のチカラ」でしかできないことには、特別な付加価値が出せると考えています。「人のチカラ」によって創出した価値を、企業や世の中に提供していくことをビジョンとして掲げた上で、最初に着手したのがBPO事業でした。

BPO事業だけではビジョンが実現できない

星 知也(ほし ともや)/株式会社うるる代表取締役。1976年生まれ。北海道札幌市出身。 高校卒業後、通信機器関連の企業に入社。その後渡豪し、エアーズロックの壮大さに感銘を受け、帰国後に入社した企業において、株式会社うるるを社内創業する(ウルルは、エアーズロックの原住民語)。2006年にMBO。以降、現職(写真:Signifiant)

朝倉:ということは、BPOというビジネスを展開しようという考えよりも先に、在宅の労働力を活用しようという発想があったということですね。

:その通りです。当時はまだBPOという言葉も一般的ではありませんでした。この言葉が普及するようになったのはここ5年くらいです。

朝倉:なるほど、そうでしたか。

:当時、在宅勤務を希望する方々にどういう仕事をしたいかとアンケートを採ったところ、データ入力をしたいという希望を多くいただきました。私たちは、データ入力を事業としたことはありませんでしたが、企業から名刺の入力、アンケートの集計などの作業をアウトソースして頂き、一度私たちが受注して在宅ワーカーに再委託する、というビジネスを始めました。この分野で在宅ワーカーの皆さんへのお仕事を作っていこうということで、「データ入力専門店」というサービスをスタートさせました。

2018年3月期 第2四半期決算説明資料より

こういった経緯もあり、弊社のBPO事業の主力は、今でもデータ入力です。請け負った業務を在宅ワーカーの他、国内外に100社程度あるパートナー企業を活用してデータ化しています。

企業から取ってきた案件を、在宅ワーカーにデータ入力業務として再委託するわけですが、案件が何千、何万と増えていくにつれて、とてもじゃないけど捌ききれなくなりました。つまり、私たち自身の業務量がボトルネックになりつつありました。このビジネスモデルでは、マッチングできる案件数が仲介会社のパワーに依存してしまうことに気付いたのです。これでは、在宅ワークをスタンダードにするという目的が達成できない、と考えました。そこで、私たちを仲介せずに、企業と在宅ワーカーに直接繋がってもらおうと考え、クラウドソーシング事業を開始しました。

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