そしてペンシルベニア州18区補欠選挙は案の定、僅差となった。3月16日時点での報道では、民主党ラム候補が627票差でリード。確定まではまだ揉めるかもしれないが、選挙結果が意味するものは中間選挙への黄色信号だ。逆に民主党陣営は沸き立っている。「ラストベルトでも勝てる!」ことが立証されたからだ。
トランプ大統領の次の一手は?
そこでトランプさんは、次にどんな手を打ってくるのか。おそらくは5月の米朝首脳会談という外交イベントに、周囲の関心を集めようとするのだろう。とは言っても、どこで会うのか、何を議題にするのか、北朝鮮が非核化すると言っているのは自国のことなのか、それとも朝鮮半島全体のことなのか、話はまったく詰まっていない。何より話がすべて「口頭ベース」で、紙一枚なしに進んでいる点がおっかない。
以前にも書いたように 、トランプさんの本質は「驚異の視聴率男」である。常に新しい話題を提供し、周囲の予想を裏切るように行動する。政策運営は衝動的、かつカオスであり、そこには外交戦略や長期計画などはまったく存在しない。
いきなり「米朝合意が出来ました。われわれ朝鮮半島からも撤収しますので、後は皆さんでよろしく」などと通告された日には、日本としてはたまったものではない。いや、「米朝会談は決裂しましたので、そろそろ軍事オプション行きますから心のご準備を」と言われたらもっと困るのだが。
財務省による文書改竄問題で足元に火がついている安倍晋三首相としても、これでは放っておくことはできない。国会日程はまことに窮屈であるが、4月早々にも訪米して「簡単に妥協しちゃダメですよ!」「それからウチの拉致問題も、きつく言っておいてくださいね!」などと釘を刺さねばならない。
それにしてもトランプさん、今月に入ってから完全に勢いがついている。本稿執筆時点で、今度は「ハーバート・マクマスター国家安全保障担当補佐官の解任説」が流れている。おいおい、どこまでいくんだよ。大統領の「3月攻勢」により、「トランプ劇場」は満員札止め状態。当「市場深読み劇場」としては、ただ呆れて見とれているばかりである。
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