仕事ができない人は一流を手本にできてない 正しい「型」を身につけなければ成果は出ない
「玉座」は、ただ書けばよいというものでもありませんでした。私の在籍当時は、A4サイズを横に使ったパワーポイントの資料なら、文字のサイズは20ポイント。フォントは創英角ゴシック。たとえば、「既存事業の4分の3の利益が下降傾向、事業の組み替えが必要」といった文章のように、20文字から30文字で1行に収める。こうした「型」も、先輩方による実践知に基づく、より「わかりやすい」資料をつくるための方法論なのです。
社会人はどんな「型」を身につけたらよいのか?
職場内の異動や転職など、仕事が変わる機会が増える中で、自分の身を助けるのは、どんな仕事の「型」でしょうか。先ほど述べた「資料づくりの型」なども適用できる職場は多いですが、必ずしもどの職場でも使う機会があるとは限りません。言い換えれば、あらゆる仕事の基本となる領域の「型」を身につけると、どんな職場でも活躍できる可能性があると言えます。
たとえば、「課題を見つけ、解決策を考える」「業務をミスなく、遅延なく完了する」「取引先や上司から仕事を獲得する」といったことは、職場にかかわらず機会が存在すると思います。そういった仕事の基本は、会社として公式な研修がなくても、身近に「手本」となる方がいらっしゃるでしょう。
その方が、なぜ成果を発揮できているのか、その方法論を本人に聞いたり、同行して観察したりしながら学び取るのです。ただし、一流選手と一緒で、優れた成果を出す先輩は、すでに独自の「型」に進化している可能性もありますので、その先輩が、「なぜその仕事ができるようになったのか」をあわせて聞いてみるとよいと思います。そこにこそ、あらゆる人にとって基本となりうる「型」が見えてくることでしょう。
「型」が見えてきたら、あとは実践です。一流選手ですら、繰り返しフォームを微修正しながら体に染み込ませるぐらいですから、「型」の実践当初は、自分の意識と実際の行動には大きなギャップがあるでしょう。こうしたことは自分1人では気づきにくいので、先輩にぜひフィードバックもお願いしてみましょう。
先輩のフィードバックをもとに改善を繰り返していくことで、気づいたら意識せずとも自分が一定の成果を収める時期が訪れます。その時期こそが、「型」が身についた時期です。仕事において、「型」を身につけることは、新しい仕事に挑戦するチャンスの獲得にもつながります。
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