レール異常放置したJR北海道の病弊 経営体制の抜本的見直しや企業風土改革が急務だ。

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トラブルが相次ぐ中で指摘されるのが、組織の風通しの悪さだ。近年の人員削減や外部委託などで、保守管理のノウハウが若手にきちんと継承されず、今夏に相次いだ特急の火災・発煙事故につながる部品の脱落などを見落とす一因になった可能性が高い。国鉄時代から社内には複数の労働組合があり、その影響で経営陣をはじめ職場内の連携が難しい側面もある。運転士による覚せい剤の使用や、自らのミスを隠すための自動列車停止装置(ATS)の破壊など、社員のモラル低下も著しい。

16年春には北海道新幹線が新青森駅─新函館駅(仮称)間で開業し、北海道から本州、九州までが一本の新幹線網でつながる。仮に北海道新幹線でトラブルが起きれば、玉突きでほかのJR各社の運行にまで支障が出かねず、関係者の間では「JR北海道の体制が現状のままなら、新幹線運行を任せられない」との声も漏れる。それまでにトラブルの元凶とされる内向きの企業風土を一新できるのか。正念場を迎えている。

(撮影:毎日新聞/アフロ =週刊東洋経済2013年10月12日号

勝木 晃之郎 北海道新聞
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