学歴や肩書にこだわる日本人の残念な選別眼 「何者か」よりも「何ができるか」が大事だ
「What are you?」の端的な例が、卒業した大学名にこだわることです。
日本人と話していると、決まって「自分は○○大学出身です」という言葉が出ます。偏差値が高い大学になればなるほど、その傾向は強いようです。
アメリカでは、ハーバードなど、よほど有名な大学の卒業生しか大学名は言いません。なぜなら、卒業した大学はたいして重要ではないからです。その代わりに、よく質問するのが「GPAは何?」です。
GPA(Grade Point Average)とは取得した科目の点数で、どこの大学でも共通して重視される成績の指標です。1科目の成績を4点満点(0~4の5段階)で評価し、その平均点がGPAになります。
「俺、GPAが3.6なんだけど」「え、マジで。俺、2.6しかないよ」。こんな会話がふつうにされていて、卒業した大学名を問うことはほとんどありません。
アメリカではどの大学を卒業したかという学歴より、大学在学中にどれくらい勉強したかという、パフォーマンスのほうが重要だからです。
「学歴」よりも「経験値」が問われる就職活動の未来
就職においても、大学を卒業したかどうかより、在学中のGPAとインターンシップやボランティア、仕事の経験が問われます。
要するに学歴より経験値が重視されるわけです。
たしかに一流大学を卒業していても、大学の授業にはまったく出ず、遊んでばかりいて卒業した人と、そこまで有名ではない大学であっても、みっちり勉強し、さまざまな経験を積んだ学生では、後者のほうが見込みのある人材だといえます。
その、「どれだけパフォーマンスをあげられるか」というひとつの目安になるのが、GPAというわけです。
日本でも最近は、外資系の企業の就職試験でGPAが問われるそうです。だんだんと世の中全体が、学歴より実際の経験値やパフォーマンスを問う時代に変わってきているということでしょう。
「自分は日本の中だけで生きていけばいいんだから、関係ない」と言っている人も、10年後、世の中が変わったとき、はたしてついていけるでしょうか。
「What are you?」ではなく「What do you do?」へ――「何者か」から「何ができるか」にシフトする時代が、もうすぐそこまで来ている、ということです。
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