金委員長「非核化は先代の遺訓」発言は本物か 4月南北首脳会談が電撃的に決まった舞台裏
今回の特使派遣がもたらした結果を、専門家らは「予想を超える大きな結果」と口をそろえる。米国が米朝対話を拒否できないレベルとの評価もある。最も注目すべきは、4月に開催予定とされる南北首脳会談に向けて、南北・米朝関係がハイスピードで進展する可能性だ。
ただし楽観はできない。11年ぶりの南北首脳会談で南北関係が改善される一方、非核化に関する米朝対話が決裂してしまえば、米韓の協力関係が弱まってしまう。そんな事態に備えるべき、との指摘もある。
韓国のシンクタンク・世宗研究所のホン・ヒョンイク首席研究委員は、「北朝鮮が米韓合同軍事訓練にさしたる異議を唱えず、米朝対話の期間は核・ミサイル試験も行わないと述べたことは、韓国の特使団が訪米しても十分に説得力のある、米国が満足できるだけの大きな成果だ」と評価する。同・東国大学のキム・ヨンヒョン北朝鮮学科教授も「想定を超える破格の内容。対話局面で核・ミサイルによる挑発行為を止めるというモラトリアムが生じることで、北朝鮮がまずは米国と核問題について十分に議論できる土台を提示した点が重要だ」と説明する。
慶南大学極東問題研究所のキム・ドンヨプ教授は「南北首脳会談の場所として板門店(の韓国側施設)を選んだということは、その次には文大統領が平壌を訪問して4回目の南北首脳会談を行うことを想定している、ということ。これは南北関係をさらに進展させるための布石だ」という。さらに、「トップ同士のホットライン設置も南北間の信頼と尊重に繋がるだろう」と述べた。
南北ともにロードマップを完遂できるか
統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は「特使団が金委員長に、平常時のように米韓合同軍事演習は不可避との立場を伝えたが、米国とは、演習中止を見据えた議論が必要だ。文大統領が立案した『平和体制ロードマップ』がようやく動き始めた」という。
すなわち、特使団の成果は、対話への準備などといった初期段階をすでに超え、一気に南北首脳会談、朝鮮半島平和宣言、米朝高位級会談などへ進めることができる内容という意味だ。ロードマップのゴールは、非核化を前提とした朝鮮半島における平和協定締結と朝鮮戦争の終戦宣言とされている。
平和協力院のファン・ジェオク副院長は「カギは、関係改善のスピードが早まったこと。これに合わせて米国を説得できるどうかだ」と釘を刺す。
慶南大学政治外交学部のキム・グンシク教授は「南北首脳会談を約束したにもかかわらず米朝対話がこじれる場合、米韓同盟にとってはリスク。北朝鮮が韓国を友軍とみなし、米朝対決のレバレッジとする戦略に注意しなければならない」と警告する。
国立外交院のキム・ヒョンウク教授も「南北首脳会談は、非核化よりも南北関係に重点を置いた印象だ。米韓関係を強固にする案も別途、必要ではないか」と言う。
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