ベンツやVW、BMWの電動車は日本車に勝るか ボルボも併せ欧州車のEV、HVを試してみた

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ボルボ「XC60」の車内(筆者撮影)

ターボだけでなくスーパーチャージャーも装着した2L4気筒エンジンで前輪、モーターで後輪を駆動する方式はミニと同じだ。しかし駆動輪の違いはあまり明確に感じない。ハンドリングもベース車両との差はさほど気にならなかった。ボルボらしい穏やかさはPHVにも貫かれていた。

日本車でSUVのPHVというと、三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」が思い浮かぶ。ミニとボルボはプレミアムブランドということを脇に置いて比較すると、ミニより400mm近く長いがボルボより幅が100mm狭いアウトランダーは、フロントにもエンジンと協調するモーターを積んでおり、電動走行可能距離はミニの42km、ボルボの45kmに対し60.8kmと大差を付ける。

輸入車の2台はPHVの性能より、ブランドの付加価値を前面に押し出した位置付けと言える。特に884万円と、ベースモデルから300万円近く高価なボルボが、数を売る車種でないことは明らかだ。一方ミニは小柄だが価格は479万円と、アウトランダーの中級グレードとの差は50万円以下であり、キャラクターに惹かれてこちらに乗るという選択は納得できる。

ベンツE350eアバンギャルドスポーツ

2台のSUVから乗り換えたのはメルセデス・ベンツ「Eクラスセダン」のE350eアバンギャルドスポーツだ。

メルセデス・ベンツ「Eクラスセダン」のE350eアバンギャルドスポーツ(筆者撮影)

メルセデスはCクラスのセダン/ステーションワゴンとEクラスセダン、SUVのGLC/GLCクーペにPHVを用意している。すべて2L4気筒ターボエンジンにモーターを組み合わせる。

こちらもボルボ同様、デザインでPHVとわかる部分はほとんどない。しかし充電口がリアバンパー上にあったり、トランクの床に段が付いていたり、洗練性では前の2台に及ばないという感じがした。一方で大きなディスプレイの表示は多彩で、高価格に見合ったものだった。

充電口がリアバンパー上についている(筆者撮影)

エンジンは外で聞いていると音が大きめだが、車内にいるとかなり静かで、いつ始動したか判別しにくいほどだ。前の2台と大きく違うのはハンドリングで、モーター走行とエンジン走行で差はなく、ガソリン車のEクラスと同じ後輪駆動ならではの感触が味わえるのは、安心感にもつながるだろう。

デザインやパッケージングへのこだわりではボルボに軍配が上がるものの、811万円という価格は同じEクラスのベースモデルの約200万円アップであり、ボルボほど超越した存在ではないとも言える。

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