前社長が招集、アークン臨時株主総会の争点 情報漏洩発覚後、営業利益は8四半期連続赤字
後任についたのは嶺村(みねむら)慶一社長。嶺村社長は情報通信機器・機材専門の老舗商社、高文(たかぶん)に長く勤め、2009年にアークンに入社。近年は営業を担当する取締役部長の地位にあった。
改善傾向にあるが、依然赤字のまま
嶺村社長は手薄だった九州・四国地区でOA機器販売店を開拓したり、役職員の減員による人件費削減などを進めたりしている。従業員の平均給与は633万円から、570万円まで10%も下がった。
ただ、新たな収益の柱と期待したマイナンバー対策向け業務ログ管理は伸び悩み、販路についても新規OEM契約の獲得には至っていない。
その結果、2018年4~12月期(第3四半期)決算は、売上高5.1億円(前期比8.1%増)、営業赤字1700万円(前期は9200万円の赤字)と業績は改善傾向にあるとはいえ、依然赤字のままだ。株価も2017年9月には510円という最安値をつけている。
そして今年1月10日、蛭間前社長は冒頭のように取締役6名(八田孝弘氏、酒井学雄氏、香取正康氏、石井雅之氏、藤重正樹氏、砂金養一氏)の追加選任を求めてきた。
会社が開示した招集通知によれば八田氏と酒井氏はIT企業の経営者、香取氏もコンサルティング会社を経営している。石井氏は債権回収業界の経歴が長く、ファンドを通じて当社株を2.78%保有。藤重氏は自由が丘でドライフルーツの専門店を経営に携わっている。砂金氏は半導体製造装置関連の企業の経営者だ。
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