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交通データ「オープン化」はなぜ進まないのか 時刻や位置情報、自由に使えればもっと便利

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ドイツ鉄道(DB)が整備した施設「DBmindbox」で行われたハッカソンの様子(提供:伊藤昌毅・東京大学助教)

たとえばドイツ鉄道では「DBmindbox」というハッカソン(ソフトウェアのエンジニアリングを指す「ハック」とマラソンを組み合わせた造語)などの交流を行う実験的な場を作った。ここでは、ドイツ鉄道で働く人とIT技術者の交流が何度も行われている。ドイツ鉄道としては自分たちからは出てこないアイディアを貪欲に取り入れようという意図だ。JR東日本とドイツ鉄道の共同で行われたハッカソンでは、ドイツ鉄道の本社スタッフから現場の運転士までたくさんやってきて、徹夜で新しいアイディアやアプリケーションをIT技術者と協働で作っていたそうだ。

複雑な交通機関を使いやすく

筆者はIT技術者と交通業界の双方に友人がいるが、コミュニケーションの仕方や考え方が大きく違う。だからこそ、日本でもこうした気軽な交流の場が求められるのではないだろうか。実際、今回の公共交通オープンデータチャレンジはこうした交流の場を築くいい機会に思える。コンテストの成果物で経済効果を図るのもよいが、スムーズにオープン化を進めるためには議論も活発化していく必要がある。そうすれば、さらに意義あるコンテストになっていくのではないだろうか。

今回、複雑な東京の交通のデータを1つに束ね、議論の叩き台ができたことは大きな前進だ。しかし、どうしても新しい試みとなると必ず課題は出る。むしろ、広い視野に立って日本における交通のオープンデータ化を進めるために課題をいかに解決するかという考えが重要ではないだろうか。

できれば、2020年の東京では利用者本位のオープンデータが提供され、普及してほしい。そのためには、交通事業者同士がデータを通じて手を携え、業界を越えて交流することが不可欠だ。交通業界におけるオープンデータ化の成否は、これからの交通事業者や関係者の行動にかかっている。

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