「乗り入れ先」が原因で遅れる地下鉄はどこか 相互直通運転のネック「遅延」データを集計
首都圏の鉄道では当たり前となっている相互直通運転。2013年3月に始まった東京メトロ副都心線と東急電鉄東横線の乗り入れに伴う、東急・みなとみらい・メトロ・西武・東武の5社による相互直通運転や、2015年3月にスタートしたJRの「上野東京ライン」など、近年その規模はますます拡大している。
相互直通運転は、乗り換えなしで郊外と都心を直結し、混み合うターミナル駅での乗り換えがいらない便利さの一方で、列車の遅れを拡大する要因になっていると指摘されることも多い。遠く離れたほかの路線で発生したトラブルによって、自分の乗る電車が遅れたり、直通運転が中止になったりといった経験のある人も少なくないだろう。
では、相互直通運転は実際にどの程度、列車の遅れに影響を与えているのだろうか。
過去3年間のデータを調査
相互直通を大規模に行っている路線といえば地下鉄各線だ。東京メトロは路線ごとに運行情報を提供する公式ツイッターアカウントで、「列車の運行に15分以上の遅れが発生または見込まれる場合」に情報を配信しており、過去の遅延などについても記録をさかのぼることができる。
そこで今回は、各路線の公式運行情報ツイッターで配信された情報を基に、相互直通運転が列車ダイヤの乱れに与えた影響について調べてみた。
今回調査したのは、2015年2月1日から2018年1月31日までの3年間分(1096日間)。この期間内に配信された各線の運行情報のツイートから、列車の遅れや直通運転中止などが発生した日数を集計し、その原因となるトラブルがどの路線で発生したか、どのようなトラブルが多かったかについて各路線ごとに調べた。
トラブルの発生日数については、同じ日に同一路線で複数のトラブルがあった場合は1回(1日)として数え、同じ日に複数の乗り入れ先など異なる路線でトラブルがあった場合は別々にカウントした。このため、ダイヤ乱れの発生日数と乗り入れ先を含む各線でのトラブル発生回数の合計は一致しない場合がある。
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