「乗り入れ先」が原因で遅れる地下鉄はどこか

相互直通運転のネック「遅延」データを集計

まず、2015年2月1日~2018年1月31日までの1096日間に各線で起きた遅延や直通運転中止など、ダイヤの乱れが発生した日数を見てみよう。東京メトロ全9路線のうち、ほかの鉄道会社と相互直通運転を行っているのは、日比谷線・東西線・千代田線・有楽町線・半蔵門線・南北線・副都心線の7路線だ。

この中で最も発生日数が多かったのは、小田急線、JR常磐線各駅停車と相互直通運転を行っている千代田線の227日。平均して約4.9日に1回、15分以上の列車の遅れや直通運転の中止などといったダイヤの乱れが発生していることになる。

2位は東急東横線・みなとみらい線・西武池袋線(西武有楽町線)・東武東上線と5社直通運転を行う副都心線で221日。次いで半蔵門線が190日、東西線が187日、有楽町線が156日で、これらの5路線は平均して週に1回は15分以上の遅れなどが発生している計算だ。残る2路線は、日比谷線がぐっと減って84日、最も少なかったのは南北線の69日だった。

7割超は他線が原因の千代田線

各線についてより詳細に見ていくと、千代田線はダイヤの乱れが発生した227日のうち、直通する他線(小田急線・JR線)で発生したトラブルが原因となったケースが計172日だった。千代田線の遅れのうち約76%は他線でのトラブルが原因となっているわけだ。

このうち、小田急線内でのトラブルが原因となったのは92回、JR線内が80回で、中でも小田急線内で発生した人身事故によってダイヤの乱れが発生した日は48日に上る。一方、JR線内でのトラブルも最多の要因は11回あった人身事故という結果が出たが、これと同数だったのが「車両点検」。車両故障も含めると12件となり、人身事故を上回る。ちなみに千代田線自体のトラブルは58回で、原因の最多は「ドア点検」が8件、次いで「混雑」が7件だった。各線ごとにダイヤ乱れの要因が異なることがわかる。

直通運転を中止した日数は、小田急線が106日(特急ロマンスカーを含む)、JR常磐線各駅停車が20日。平均して10日に1回は小田急線との直通運転が中止されている計算になる。小田急は3月に行うダイヤ改正で、複々線化の完成を受けて列車を大増発し、同時に千代田線直通列車も増える予定だが、遅延の際に直通の中止やダイヤの混乱などが発生しないかどうか、懸念している利用者も少なくないだろう。

以前の取材で、小田急の担当者はこの点について「直通列車が増えることで遅延回復の対応の幅が広がる」と説明していた。データで検証すると、千代田線直通列車の本数が増えた2016年3月のダイヤ改正以後、それ以前は平均して9.3日に1回だった直通運転中止の回数は11.1日に1回とやや減少傾向にはある。今春の小田急線ダイヤ改正では、同線の混雑緩和とともに遅延の減少やスムーズな直通運転の実現も期待されるが、はたしてどうなるか注目だ。

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