野菜高騰で「サラダ総菜」販売が急増する実情 「RF1」「成城石井」では総菜売り場の活況続く
全国約158店舗(フランチャイズ店舗など含む)を運営する成城石井も、「産地直送契約があるので、野菜高騰による原価上昇圧力を抑えることが可能」(成城石井の原昭彦社長)という。
たとえば、レタスは足元では徳島の生産者から調達しているが、収穫状況によっては週ごとに産地を変えるなど緻密な管理と柔軟な体制で状況変化に対応する。ミカンなどの果物は農家から一括で仕入れ、自社倉庫で小分けにして保管。このような大量仕入れでコストを抑え、販売価格への転嫁を抑制している。
販売押し上げが限定的なケースも
スケールメリットがあるロック・フィールドや成城石井といった企業は野菜高騰による恩恵を受けるが、すべての総菜会社がそうであるとは限らない。
コンビニエンスストアや外食向けに業務用の総菜やマヨネーズ・ドレッシングなどを販売する「ケンコーマヨネーズ」は、中食需要の増加をとらえ順調に業績を伸ばしている。だが、個人客向けの販売店(18店舗運営)でのサラダ総菜については、野菜高騰による販売押し上げ効果が限定的だ。
値上がりが顕著な葉物野菜を使用した商品よりもポテトやカボチャなどのサラダを得意としていることもあり、「野菜価格がドンと上がったからといって、サラダ総菜の販売がグッと上向いているわけではない」(ケンコーマヨネーズの京極敦執行役員)。
逆に、仕入れ面で利益圧迫要因となっている。「昨今はマカロニサラダにブロッコリーやハムを添えるなど商品の構成が複雑になり、バリエーションも増えている。野菜高騰の影響は昔よりも大きくなっている」(京極執行役員)。同社は商品容量の削減や商材構成の変更などで、この局面をしのぐ構えだ。
農林水産省がまとめた3月の野菜価格見通しによると、白菜やキャベツなどは当面高値水準が続くもよう。野菜高騰が総菜業界にいつまで、どのような形で影響を及ぼすのか。各社の動きを注視する必要がある。
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