精肉店「柿安」がフードコートに進出する事情 「丼」を主軸とした新業態は受け入れられるか
精肉店の老舗で、百貨店を中心に精肉・総菜店を展開する柿安本店が、ショッピングセンター(SC)内のフードコートへの新業態店の出店を加速している。
同社は2月23日、フードコート型レストラン「柿安Meat Express」を「ららぽーと新三郷」(埼玉県三郷市)に開店した。この新業態店は今2018年2月期に始めたばかり。昨年4月に1号店となる「イオンモール大高店」(愛知県名古屋市)をオープン。その後も8月と11月に、東海圏で新店を相次いで開店した。今期だけですでに6店舗の開店と、当初計画を上回るペースで出店している。
フードコートのメリットとは
さらに、3月も2店舗のオープンを計画。「来2019年2月期も関東圏や東海圏で、今期以上の出店を見込んでいる」と、柿安本店の堀武彦執行役員は意気込む。
新業態店は肉を使った丼を中心に提供する。柿安本店の名物の佃煮「牛肉しぐれ煮」を使用した「牛肉しぐれ煮丼」は、新業態店の各店舗で売り上げトップ3に入るなど人気商品となっている。
厨房やレジカウンターのスペースとして30平方メートル程度の広さがあれば出店できる。加えて、フードコート内店舗であるため、スタッフが接客サービスをする必要はない。初期投資の負担が小さく、少人数のスタッフで運営できるため、事業利益率が高い点も特長の1つだ。
百貨店を中心に店舗展開してきた柿安本店だが、なぜこのタイミングでSCのフードコート向け新業態の展開にアクセルを踏み込むのだろうか。背景にあるのは、主戦場としてきた百貨店の先行きに対する不安だ。
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