ネットでの「情報発信のガイドライン」策定へ 団体設立へ向けて立ち上げ準備会が発足
発起人に名を連ねる東洋経済オンライン編集長の山田俊浩氏は、「記事公開後における、その削除の仕方なども、ガイドラインで指摘すべきかもしれない」と補足する。実際、都合が悪くなったら記事をそのまま削除するというのは、インターネットメディアにありがちな対応だ(公開期間を設定しているところもあるが)。記事の削除は、物理的に造作のないことだが、それをやってしまってはメディアの信頼性が揺らぐ。
だが、JIMAが目指すのは、コンテンツの質を判断する「ネット上の警察」ではない。先述のとおり、インターネットで情報を発信するために遵守すべき、基礎的な事項を定めるためのガイドラインの設定だ。古田氏は「それこそがユーザーに対する説明責任ではないか」と語る。
リテラシー向上の先に
とはいうものの、会見に参加した記者からは、「そもそもフェイクニュースなど悪質なコンテンツを作るメディアが、JIMAに参加するとは考えにくい」という意見もあった。
しかし、少しずつガイドラインを浸透させ、徹底する企業が増えていけば、悪質なコンテンツを作るメディアはユーザーから読まれなくなり、自然淘汰されていく。それこそが狙いだと、発起人たちは語る。同団体が目指すのは、ユーザーリテラシーの向上も含め、インターネットの信頼性を高めていくことだ。
「すべてのメディアが団体に加盟する必要はない」と、プラットフォーマーからの唯一の発起人になった、スマートニュース執行役員の藤村厚夫氏は語る。「ガイドラインを浸透させていくことによって、ユーザーから見たときに、信頼できるメディアとできないメディアの違いを明確化できれば、レベルの底上げに繋がる」。
現段階での参加資格は、インターネットメディアに限定しておらず、新聞やテレビ、雑誌といったレガシーメディアも含める。今後はスマートニュース以外の大手プラットフォームに対しても積極的な参加の呼びかけを行い、建設的な議論を目指すという。
(Written by 村上莞)
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