ツイッターの上場申請で稼ぎ具合が"丸裸" ベールに包まれていたツイッターの「数字」が明らかに

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収益の次に気になるのがユーザー数。申請書類によれば、昨年3月に1.3億人だったアクティブユーザー数は今年6月で2.1億人まで拡大しており、今や全世界で毎日5億件ものツイートがされている。また、13年6月までの直近3カ月ではアクティブユーザーの75%が携帯端末からアクセスだという。

ライバルはFacebook、日本のLINEの名前も

国別の売上げまでは開示されていなかったが、ユーザーと収益の関係で興味深い記述があった。13年3月~6月の月間アクティブユーザー数は米国外の割合が77%を占める一方、海外の広告収入は売上げ全体の25%にすぎないというものだ。つまり、全世界でユーザーを拡大しているが、それに見合うだけの売上げを海外で十分に上げられていないことになる。逆にいえば、収益拡大のポテンシャルがあるともいえる。今後、ユーザー数の拡大や成長を見込む国としては、アルゼンチン、フランス、日本、ロシア、サウジアラビア、南アフリカが挙げられていた。

伸びしろはまだまだあるツイッターが、「われわれは多くの企業と競争している」と記す中で、最初に挙げているのがフェイスブック(カッコ書きで、『インスタグラム(注:フェイスブックが昨年に買収した写真共有サービス)を含む』とある)。そして、グーグル、リンクトイン、マイクロソフト、ヤフーなど、”古参”の部類に入るITネット業界のガリバーの名前も。米国外で成長しているアジアの競争相手についても言及しており、「中国のWeibo(ウェイボー、微博)、日本のLINE、韓国のKakao(カカオ)」とあった。

群雄割拠の中でフェイスブックが先を行くものの、グローバルでみれば頭抜けたITベンチャーであることは間違いない。株式公開で巨額の上場資金を手にしようとしているツイッターは、果敢な開発投資でどのような進化を遂げるのか。上場後の拡大展開は第二の創業といえる。

井下 健悟 東洋経済 記者

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いのした けんご / Kengo Inoshita

食品、自動車、通信、電力、金融業界の業界担当、東洋経済オンライン編集部、週刊東洋経済編集部などを経て、2023年4月より東洋経済オンライン編集長。

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