2月22日は「猫の日」全国各地を走るネコ列車 車両デザインから駅長まで「鉄道と猫」の縁
一方、両備バス関西カンパニーでは、観光バスに「たまバス」を用意している。高速道路を走ることもあって耳はないが、白い車体にたまのイラストをちりばめた外観、三毛猫カラーの車内はたま電車に近い。外観イラストの一部は横の窓まではみ出していて、この部分は車内側にもイラストが入っている。
両備グループ以外で猫列車を探すと、意外に少ない。その中で筆者が出会ったのは富山県高岡市・射水市を走る万葉線と東京都世田谷区の東急電鉄世田谷線だ。
万葉線のそれは正確にはアニマル電車という名前で、2016年夏まで走っており、デ7070形の正面に猫、側面に十二支の動物の絵が描かれていた。神様が十二支の順番を決めるお触れを出した際、日時を聞くのを忘れた猫にネズミがうそを教えたため、猫が十二支に入れず、それ以降猫はネズミを追い掛けるようになったという説はおなじみだが、アニマル電車では逆に猫が特等席に陣取っていた。
万葉線は以前は加越能鉄道(現・加越能バス)が運行していたが、乗客減少に悩んでおり、台風による橋脚一部流失を契機に、一部区間の廃止を表明した。これに対して地元の自治体や住民などが存続のための活動を続け、2002年に第三セクターの万葉線に移行したという経緯を持つ。和歌山電鐵に通じるストーリーだ。アニマル電車はこの過程で、存続を願う小学生に描いてもらった絵から生まれた。
「猫型ロボット」の電車も
現在、万葉線には猫型ロボットの電車が走っている。高岡市出身の漫画家、藤子・F・不二雄氏の代表作である『ドラえもん』をモチーフとしたドラえもんトラムだ。こちらは新世代のMLRV1000形「アイトラム」をベースとしている。通常の塗装は赤で車内は白基調だが、ドラえもんトラムは外も中も青となっており、ドラえもんやのび太などのキャラクターが描かれている。赤い帯を首輪に見立てて鈴を描き、ドアは「どこでもドア」のピンクとするなど、センスの良い仕立てだ。
一方の世田谷線はルーツに当たる玉川線が昨年開業110周年を迎えたことを記念して、3月末までの期間限定で300系1編成を「幸福の招き猫電車」に仕立てた。
沿線にある豪徳寺が招き猫発祥の地と言われていることにちなんでおり、外観は白い車体の前面や側面に招き猫を描いている。車内は吊り手が招き猫の形になり、床には猫の足跡が加わった。足跡は入口から出口に向かっており、乗客の車内移動を促すようになっている。
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