中年でも「安全に起業」するための条件7つ まずドブに捨ててもいい1000万円を用意せよ

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重要なのはこの1000万円を(いわゆる)運転資金としては利用せず、開発資金あるいはそれに該当するようなものに割り当てる現金としてとりあえず貯蔵しておくことだ。まずは、運転資金としての資本金には手をつけない経営を目指してみよう。

そのためには起業の翌月からきちんと売上が立つような設計が出来上がっている必要がある。筆者はこのあたりの管理が杜撰だったため、1000万円の資本金が「なんとなく」消えていったと反省している。

銀行融資で気をつけるべきこと

また、銀行に融資の相談に行くと、担当者は必ず「運転資金ですね?」と聞くだろう。なぜなら銀行の融資担当には開発投資のノウハウがほとんど存在しないからだ。開発投資と言われると(融資の)良し悪しの判断ができないのである。

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この「運転資金」なる文言は借方/貸方の両者が思考停止したまま合意できてしまう「悪魔のささやき」でもある。仮に融資を受けるにしても、それを運転資金とはしないという覚悟が融資を受ける側に必要になる。したがって融資を受けたなら、銀行には「運転資金ですよ」とうそぶきつつ、日常使う法人口座とは別の口座に放り込んで冷凍保存しておくのがよい。

無論、金利負担が発生するので、逆ザヤの貯金にはなってしまうが、それでも貯めておけるなら融資の意味がある。なぜなら起業直後は日常的なオペレーションに忙殺されるはずなので、自分が本当にどこにお金を使うべきかのクールな判断ができないからだ。

あなたがどんなに優秀な人であったとしても、適切な使い方を発見するためには起業から2〜3年の経過を要すると考えていただきたい。3期分くらいの財務諸表を眺めていると、筆者のような財務の素人でも、なんとなく経営なるものの基本がようやくわかり始めてくる。金の使い道を考えるのはそれからでも決して遅くはない。

竹田 茂 「42/54」プロデューサー

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たけだ しげる / Shigeru Takeda

1960年生まれ。新潟県上越市出身。日経BP社にてBizTech(現在のnikkeibp.net)の立ち上げを皮切りに同社の様々なインターネット事業の企画・開発業務を統括、「日経ビジネスオンライン」などをプロデュースした後、2004年にスタイル株式会社を設立。およそ年に1本のペースで主にB2B分野にフォーカスしたWebメディアを創刊・運営。中年サラリーマン起業者を支援する「42/54」プロジェクトプロデューサー。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997~2003年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社、2003年)など。

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