やんちゃ坊主はもう卒業、収益化に邁進するユーチューブ
バナーなど従来のディスプレー型広告に加えて、たとえば動画の上に半透明の広告を重ね合わせてクリックすれば続きが見られるタイプの動画広告も展開。さらに、「スケートボードのトリック」といったハウツーものの動画の下に「アドセンス」を利用したテキスト広告を挿入する試みも始めた。「広告がない」広告主にはユーザーによる「CM制作コンテスト」を実施する。
コンテンツパートナーや広告主は、広告成果の分析ツール「ユーチューブ・インサイト」を使って、描く動画がどれだけ視聴されたか、地域や年齢、性別ごとに検証できる。これを参考にターゲットを絞って広告を展開することも可能だ。
最近では、このツールを応用して、視聴者の反応を探るためにテレビ放映などの前にユーチューブで広告を試すケースもあるという。
ただ、現時点では広告を掲載しているのは著作権所有者がきちんとわかっている動画だけに限定される。このため、売り上げは年間数億ドル程度、しかもほとんどが、ディスプレイ型広告と見られている。
今後焦点となるのは、広告主が掲載したいと思えるコンテンツパートナーをより多く増やすこと。しかも、ユーチューブユーザーは、特定の情報を探しに来るグーグルユーザーとは違うため、グーグルが得意とする「関連性の高い」広告掲載がどれだけ効果的か未知数だ。
【検証3】メディアとの関係は修復できたか
収益化のカギを握るメディア企業との提携だが、著作権保護への姿勢や広告の選択肢が増えてきたことで「愛憎関係」にも変化が出てきた。