シャープ大型テレビが中国で「爆売れ」の理由

親会社・鴻海の強力バックアップの中身とは

「限定100台で50インチ4Kテレビが2999元(約5万2000円)」
「液晶パネルは日本で組み立て。60インチ4Kテレビが3299元(約5万7000円)」

シャープの東証1部復帰会見で経営陣がかぶっていた帽子には、一様に「富連網」の文字があった(撮影:大澤誠)

富連網の正体は、鴻海グループが運営するネット通販(EC)サイトだ。テレビや家電など、シャープ製品の特設ページもある。同社製の薄型液晶テレビは、日本で販売されているものと同サイズのもので、およそ半値以下。競合の中国、韓国メーカーのオンラインストア上のセール価格と比べ、1000元ほど安い場合もある。サイト情報が書かれたページを見ると、「シャープが傘下に入る鴻海グループのオンラインプラットフォームである」と説明されている。

現在、日本以上にECの普及が進む中国や台湾では、テレビや冷蔵庫などの大型家電もEC経由での販売が絶好調だ。もともと2014年に鴻海グループの従業員向けECサイトとして作られたこの富連網も、今現在は一般消費者が家電を購入できるサイトの1つだ。

ECと従業員・関係者への販売が大半か

運営するのは、中国の鄭州市に本社を構える富連網有限公司。同社は鴻海精密工業の孫会社に当たる。シャープの有価証券報告書によれば、2016年度における富連網とシャープの取引額は、582億円に上る。ただ、その実態はよくわかっていない。

旧正月を祝う一環として、富連網ではシャープ製品の大セールが行われていた(画像:富連網ウェブサイトより)

競合の中国地場メーカーは、このサイトの価格を見ていぶかしむ。「いくらグループ内で部材を安く調達できるといっても、完成品をこんなに安く売れば赤字になるだろう」。

ただ、富連網はあくまで鴻海の中国子会社であり、中核事業を担うフォックスコン・テクノロジー(富士康科技集団)の販売網における一つのチャネルにすぎないという見方もある。つまり、仮に富連網が赤字に陥っていたとしても、2016年度に営業利益1749億台湾ドル(約6500億円)をたたき出した巨大な帝国の中では微々たるものだ。結果的にシャープは、自社の利益を何一つ傷つけることなく格安販売を続けることができる。

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