ソーシャルメディア「野放し」は危険すぎる

民主主義の土台を崩す可能性も

だが、スマートフォンがメディアの形を変え、一握りのテック企業に情報の流れをコントロールする力を与えてしまった。利用者が欲する情報を振り分けるアルゴリズムには、国民を分断し、民主主義の土台──中でも言論の自由──を打ち崩すインパクトがあったのだ。

ネットスケープの創業者、アンドリーセン氏がかつて警告したように、巨大ハイテク企業は世界をのみ込みつつある。フェイスブックは「素早く動き、破壊せよ」との経営理念を掲げたが、人々や民主主義に与える影響などお構いなしに、こうしたスローガンをそれぞれの形で取り入れているのが巨大テック企業だ。先進国では多くの人々が、プラットフォーム企業によって選別された、たこつぼ化した情報の泡(フィルターバブルと呼ばれる)の中に住んでいる。

独禁法を超えるアプローチが必要

米国では成人人口の約3分の1が、自分の考えと合わない情報は受け付けないようになっている。確固たる事実であっても、だ。

西欧民主主義は、このような脅威に立ち向かう準備ができていない。EUは昨年、独占禁止法に違反したとしてグーグルに27億ドル(約2900億円)という過去最大の制裁金を科した。妥当な決定ではあるが、規模が小さすぎた。グーグルの株主は気にもしていない。

われわれは重要な曲がり角に来ているのだ。プラットフォーム企業の独占が競争やイノベーションにとって有害なことを、欧州は米国以上にわかっている。だが、誰もまだ有効な規制方法を見つけられていない。情報が操作され、民主主義が切り崩される危険性に対する認識も高まっている。だが、政府はまだ対策を生み出せずにいる。

プラットフォーム企業の独占によって突きつけられた課題に立ち向かうには、独禁法を超えるアプローチが必要だ。この問題は、国民の健康に対する脅威と理解すべきだ。ソーシャルメディアをたばこやアルコールと同列に扱い、規制と啓蒙の組み合わせで対処することも1つの選択肢となる。

力を持ちすぎたハイテク企業に反撃すべき時がやってきたのだ。

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