史上最大級「巨大ロケット」がついに宇宙へ スペースXが開発、その名もファルコンヘビー
「ファルコン9とファルコンヘビーの共通点のおかげで、諸経費を2つのロケットに分散させることができる」とマスクは2011年に語っている。「同じ機械を使って、同じラインで製造することができるため、コストを維持できる可能性がかなり高まるだろう」
スペースXはファルコンヘビーの打ち上げにかかる費用を9000万ドル(約100億円)としている。
小型化のトレンドから逆行
その設計はまた、ロケット開発のコスト削減にも貢献している。
「米国が納税者に全く負担を課すことなく獲得した、事実上初となる超重量打ち上げ機と言える」と、コロラド大学工学部の副部長で、かつてスペースXに勤務していたウィル・ラーソンは指摘する。

ファルコンヘビーのすべての部品がフロリダに到着したのは昨年のことで、スペースXはそれ以来、巨大なロケットに合わせて発射台を調整してきた。まもなく発射台にロケットを設置し、一度に27個のエンジンすべてに点火する重要な試験を行う予定だ。
実際の打ち上げが成功すれば、スペースXは米空軍に委託されたものも含め、ファルコンヘビーをさらに4機打ち上げる計画だ。
ファルコンヘビーほど大型のロケットにそれほどビジネスの機会があるのか、疑問視する声もある。
「どうしてこれをするのかと、いつも困惑してきた」と言うのは2002年のスペースXの創業チームに加わったものの、ほどなくして退社したジム・カントレルだ。彼は現在、スペースXのロケットよりも小型のロケットを製造しているベクタースペースシステムズのCEOを務める。