宇宙飛行機「スカイロン」は何が画期的なのか エンジンが高熱になる問題を解決
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宇宙に足を踏み入れるには、きわめて高コストだ。しかし、再利用可能なスペースプレーンが実用化すれば、極超音速飛行に革命的ともいえる変化をもたらし、宇宙空間との往復を今よりもずっと安価にするだろう。
それこそが、イギリスのリアクション・エンジンズ社の野望だ。この会社は新しい方式の航空機エンジン「SABRE(Synergistic Air-Breathing Rocket Engine)」を開発してきた。
ロケットとジェットエンジン技術を統合
このエンジンは、空気中の酸素と搭載した液体水素を反応させることで大気圏内を飛行。その後は、液体酸素へと切り替えて宇宙空間へと飛び出す。
リアクション・エンジンズのマネージングディレクター、マーク・トーマス氏は次のように説明する。
「これはロケットとジェットエンジン技術の統合なのです。音速の5倍以上、つまり時速4000マイル以上の動力を供給するエンジンシステムで、軌道に乗れば、音速の最大20倍までの動力を供給できます」。
しかし、厄介な問題がある。大気圏内で超高速飛行をすると、エンジン正面部分の温度が摂氏数千度になってしまうのである。この問題を解決しなければ、実用化への道は開けない。