サントリーHD、税負担が980億円軽くなる理由 計170兆円、トランプ減税で日本企業への影響
ここまでは日系企業にも恩恵があるが、「日本企業で浮かれた声はあまり聞かれない」(米国税制に詳しい関係者)。理由は“出ていく取引”に厳しい、税源浸食濫用防止税(BEAT)が新設されたからだ。
たとえば特許使用料では、支払先が米国内企業なら損金処理できるが国外の関連企業だと課税対象。
米国子会社が日本の親会社に払う特許使用料は10%の追加課税の対象になり、米国子会社が日本の親会社に支払う借入利息も同様の扱いになる。「まさに米国ファーストの税制改革だ」(PwCの山岸氏)。
日系企業を翻弄するトランプ大統領
日本のタックスヘイブン対策税制(以下JCFC)との兼ね合いも問題になる。低税率国にため込んだ利益に課税したいという政府の思いは万国共通で、日本も以前から必要に応じて海外子会社の所得を日本の親会社の所得と合算して課税していた。
これまで米国は法人税率が高く、JCFCの対象外だったが、今回の税制改正で合算課税すべきか否か、審査対象になった。
現段階では合算課税の対象になりえる米国子会社がどのくらいあって、納税額にどの程度影響が出るのかは明らかになっていない。
わかっているのは決算期末を目前に、膨大な作業が新たに加わったということ。お騒がせなトランプ大統領の減税政策に日本企業も翻弄されている。
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