「給与明細を隠す夫」に心を開かせる4つの技 「共働き夫婦」の妻は、この悩みが一番多い

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こうした言い争いは、夫が「自分の給与を教えない」「生活費がいくらかかるかをきちんと見ていない」ことから生じることが多いのですが、妻にも問題がないとは言えません。「何」が「いくら」なのかを「見える化」できないために、とても大きな不満や不安を呼ぶことが多いのです。こうなると、夫は妻に「やりくりできない、だらしない女」、妻は夫に「何もわかろうとしない、ケチな夫」というレッテルを貼りはじめてしまいます。

なぜこうした深刻な問題が生じるのでしょうか。この問題について、「まずは独身の人たち(離婚経験者も含む)に聞いてみよう」と、30~40代の独身男女にインタビューをしたことがあります。

すると、聞かれた男性の大半は、「妻が『夫の稼ぎがわからない』と不満を言っている? だから俺は結婚したくないんだよ。なんで俺が稼いだおカネを嫁に教えるの? 俺の勝手じゃん。だって、家賃とか払ってるんでしょ、夫は。食費とか雑費は、たかが知れているよ」と言う人が大半でした。一方、女性は「奥さんは仕事をもっているうえに、ほとんどの場合家事の負担が重いんだから、かわいそうだし大変! そもそも男は理解しようと思わないんだよね」と同情しきり。女性の中にはこの問題で離婚した人もおり、同じ問題で悩んでいる友人や姉妹も多いようです。

「自分の母親」に相談すると、かえってこじれる場合も

前述のように、この「生活費問題」の相談は圧倒的に女性が多いのですが、FPに相談する人は多いとは言えず、通常は、まず女友達に相談。解決しないと今度は母親に相談するのですが、それでもうまくいかないようです。特に、母親のアドバイスが、かえって問題を複雑にさせてしまうケースが多いようです。悩んでいる女性からすれば、自分が育った家庭は
以下の2つに分かれます。

(1)父親は母親にしっかり生活費を渡し、母親はその範囲で暮らしていた

(2)父親が母親に金銭的に苦労をさせてきたので自分はそうなりたくない

(1)の場合、母親は「ケチな男は出世しないわよ。男が家庭のおカネを出すのが当たり前でしょう!」と同情してくれると思いきや、あまり母親に愚痴を言いすぎると今度は「仕事を辞めなさい」と言われることもあるそうで、いつしか相談しなくなってしまうのです。

一方、(2)の場合は「お母さんは、それで苦労したのよ。もっとガンガンに言わないとわかってもらえないわ!」というアドバイスをしがちです。これを鵜呑みにしてしまい、夫に本当に直接ガンガン言って、夫婦関係が悪化。時にはひどいことに、夫に浮気に走られるケースさえあります。

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