GMバーラCEOが描くEV黒字化目標の賭け GMの「秘策」とは?
GMのグローバル製品開発部門を率いるマーク・ロイス上級副社長は、バッテリーのコスト削減戦略は、バッテリー化学構造の変更といった単体の改善にとどまらず、バッテリー関連技術やパッケージングなどの一連の継続的な改善だとロイターに語った。
「特効薬は存在しない」とロイス上級副社長は語る。また、目標達成のために必要な課題をGMがすべて解決したわけではないと述べ、「『製品開発』と呼ばれているのは理由がある」と付け加えた。
バッテリー技術における最新の開発や改良は公表されていないと、GMのフレッチャー氏は言う。「(量産化にこぎ着くまでは、新テクノロジーを)公開したくないと思って特許出願を選択しなかったものも、たくさんある」とフレッチャー氏はロイターに語った。
「ボルト」の教訓
2010年以降の特許出願記録を見ると、GMがバッテリー技術や、パッケージング、加工における改善を重視していることが分かる。同社の出願書類によれば、こうした改善は、バッテリー容量を増やし、1回の充電による走行可能距離を延ばすことに貢献している。
GMは現行バッテリーに関するノウハウを、「ボルト」向け電池や電子部品を製造する韓国LGグループと共同で培ってきた。
2016年10月に発売された「ボルト」は、大量生産されたEVとしては初めて1回の充電で200マイル(約322キロ)超の走行可能距離を実現し、販売価格は4万ドル以下に抑えられた。2017年の販売台数は2万3297台に達した。
テスラのセダン「モデル3」は価格3万5000ドルで、昨年の販売台数は1770台にとどまり、当初目標を大きく下回っている。
「ボルト」が発売され、消費者や専門家、株主などのあいだで広く好評を博したことは、バーラCEOとGMにとって画期的な出来事だった。
GM関係者はその時の心境をこう表現した。「何が可能なのかを考え直す契機となる、『ヤバい』瞬間だった」
(Paul Lienert and Joseph White 翻訳:エァクレーレン)
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