ハワイのミサイル誤警報、ミスはなぜ起きたか 140万人の住民がヒステリーと混乱に陥った
こうしたメッセージが13日午前8時過ぎ、ハワイ全土の携帯電話やテレビ・ラジオに流された。撤回するメッセージが送信されるまでに38分を要した。
誤送信は、約140万人の人口を抱え、米軍施設が集中する同州全土にヒステリーと混乱を引き起こした。
雑誌の発行者でホノルル市議会に立候補しているイカイカ・ハッセー氏は、警報を受けたとき、子どもたちと自宅にいた。食料をつかみ、岩の壁で囲まれた部屋に向かったという。
米太平洋軍と同海軍の太平洋艦隊の拠点であるというハワイ州の立場が攻撃の標的になりやすくしていると、ハッセー氏は言う。「軍国主義は、安全を高めるどころか、損なっている」と電話で語った。
民間防衛当局は、北朝鮮から実際にミサイル攻撃があった場合、ハワイの住民がシェルターに避難するために残された時間はわずか12分程度しかないとしている。
同州は昨年11月、北朝鮮からのミサイル攻撃を想定して、冷戦時に毎月行っていた核攻撃の警報サイレン訓練を、少なくとも四半世紀ぶりに再開すると明らかにしていた。
再発防止策とは?
ハワイ州のイゲ知事は、今回の誤送信に「怒りと失望」を感じていると述べ、誤送信が起きた後、一部のサイレンを停止したと語った。
再発防止に向けて、緊急事態管理局は今後、職員2人で警報システムを起動させると述べた。1人が警報を発し、もう1人がそれを確認するという。また、誤発信した際には、すぐに撤回通知を発信する方法を組み入れたという。
「それこそ先日われわれに欠けていたことだ」と、同局のラポザ報道官はロイターに電話で語った。「メッセージを早く伝えることに神経を集中しており、間違いが起きたときの対応に十分な注意を払っていなかった。率直に言って、われわれの計画ミスだ。弁解の余地はない」
同局に対する批判は素早かった。
ハワイ州で最大の地元紙「ホノルル・スター・アドバタイザー」のコラムニストは、14日付の紙面で「怒りを爆発させるときだ。誰かがクビになる必要がある」と記している。
(Jolyn Rosa 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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