実は「年間貯蓄額は80万円程度」ということでしたが、よく聞いてみると、小山家の直近年の支出は、耐久消費財などの購入も頻繁で、毎月当たりに引き直すと約84万円。支出が手取り年収を上回っているとのことです。これだと、貯蓄からの取り崩しで「ちょっと貯めては取り崩し」の典型的な「おカネがたまらないパターン」のようです。
聞くと「ほとんどすべてをクレジットカードで支払っていて、何にいくら使っているのかを把握していない」とのこと。クレジットカードでの買い物は、未来のおカネを先に使っているということですので、本来なら、その分は使わずに、銀行口座に残しておかなければなりません。そうしなければ、引き落とされるといくらも残らず、またクレジットで買い物をするという自転車操業に陥っていまします。小山さんの状況はこれでしょう。まずはこの体質を直すべきです。
家計を正常化する3つのステップとは?
どうすればいいのでしょうか。「家計の立て直しには、次の3つのステップで実行してください」とお伝えしました。ボーナスで入ったおカネを上手に利用しながら、家計を健全化する方法です。具体的には以下の3つの手続きを踏みます。
(1)毎月の給料ではなく、直近の冬のボーナスを取り崩し、予定されている直近のクレジットカードの支払い分に充てる。
これで、いったんは「リセット」できるはずです。そして、当分クレジットカードを使うのをやめ、現金払いにしましょう。おカネを使う「痛み」を感じて、支出に敏感になりましょう。
(2) 毎月の給料が出たらまず、「必要貯蓄額」の「19万4000円」を別口座(貯蓄専用口座などを作る)に移す。
先取り貯金で、確実に貯めていきます。
(3) 年間の臨時支出を書き出す。
「毎月ではないものの、必ず支出するもの」を書きます。たとえば、レジャー費、年払保険料、固定資産税、冠婚葬祭費などです。そして、
を求めましょう。これが、小山さんが毎月使っていい金額です。今後は、毎月、この金額内で生活をすることを守りましょう。
まずは、この3つを実行します。これが、2018年から貯められる家計にするために今すべきことです。今は年始なので見直しにはもってこいの時期です。(3)で求めた「毎月の生活費」から、2人のお小遣いや食費をいくらにするかなど、しっかり話し合いをして決めるといいと思います。
いかがでしたか。小山家の例を見ればわかるとおり、貯められる家計にするためには意識改革が必要です。もし、読者の皆さんのなかでも、貯められない共働き家庭があったら、必要貯蓄率を計算したうえで、今後は、毎月最低1度は家計についての話し合いの場を持ち、必要貯蓄率が達成できたかを確認することをおすすめします。
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