――現在運行中の長崎ルート(長崎―佐世保)や大分ルート(大分―日田)以外の新しい運行ルートの可能性はありますか?
そちらはまだ秘密です(笑)。年に数回、佐世保から佐賀駅を通って唐津へ行く特別ルートを運行させているのですが、佐世保と大分にある専用の厨房を拠点にしたオペレーション関係の課題がクリアできれば、評判を見ながら増やしていきたいという思いはあります。
――今は数カ月ごとに各ルートを案内しているのが基本ですよね。お客様、特にリピーターからのリクエストもあるのでは?
そうですね。まずは長崎ルートと大分ルートのどちらも乗ってもらって、という流れになりますので、制覇される方が増えていけばといったところでしょうか(笑)。
――昨年は、日田も豪雨で一時運行が危ぶまれた中、できる限り最善を尽くして走らせ続けていらっしゃることに感銘を受けます(2017年8月14日付記事「JR九州、鉄路被災でも観光列車維持に大奮闘」)。ただ、「或る列車」そのものの運行は4年目を迎えています。現在感じている課題はありますか?
「或る列車」は、デビュー当時から”スイーツ・料理”に特化した特殊なD&S(デザイン&ストーリー)列車としてブランドを築いてきました。ですので、まずはスイーツ・料理に変わらず注力するというのがベースになりますが、途中の駅で乗ったり降りたりといったアトラクションを実施していない分、沿線の魅力をどう伝えるかという点は日々考えています。
九州産食材を車内でPR
――いま運行中の長崎ルートで何か新しく仕掛けていることはありますか?
運行開始の時から食材に沿線のものを使うということは徹底しているのですが、あわせて乗務員がお客様のもとをたずねて、珍しい九州産の食材のよさをPRして”地域を体感して頂く”という試みを少しずつ進めています。たとえば、その月のメニューに用いていたブッシュカン(仏手柑)という食材をご覧いただく試みなどをはじめました。
――食材や産地に思いを馳せるだけでなく、見て・触れることができるというのは魅力的ですね。ちなみに、昨年の11月23日に運行された特別な佐賀ルートは、お客様の反応はいかがでしたか?
年に数回の実施ということもありまして、沿線の方がおもてなしのためにたくさん集まって盛り上げてくださり、感激しました。唐津で式典を行ったり、佐賀で市民の方に集まって頂き、小さなバルーンを飾ったり旗を振って頂いたり、有田にはゆるキャラが来たり。さらに、肥前山口では沿線の子ども達がダンスを踊ってくれたりと盛り沢山でした。2月・3月にも佐賀ルートの運行があるので、自治体や旅行会社さんにご協力頂きながら盛り上がれば光栄です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら