ぐるなびが飲食店の「SNS支援」までやる意味 1000人の営業人員で掘り起こす「業界の課題」
日本の外食業界では、こういった小規模事業者が市場全体の6割を占めており、食文化の多様性を支えている。ここの経営が成り立たなくなれば、選択肢が減る、利便性が落ちるなどの形で、食べる側の消費者に跳ね返ってくる。
1000人のインフラを持つ当社だからこそできることは、ITツールの導入を手伝うだけでなく、ちゃんと使えるようになるまで面倒を見ること。人手不足という逆境は、業界にとって経営のやり方を大きくアップデートするチャンス。ぐるなびにとっても、顧客との接点を広げ、足元の苦戦を打開するチャンスといえる。
予約から決済までサイト上で完了
──飲食店向けの訪日外国人対応支援も進めていますね。
本格的に始動して2年半くらい経つが、やっと外国語に翻訳した飲食店・メニュー情報が一定レベルまで増えてきて、少しずつ使える形になってきた。今後はお店やメニューの登録数を伸ばしつつ、メディアとしての使いやすさを上げていく。
足元で取り組んでいるのが、日本に来る前に飲食店予約をできる仕組み作り。ぐるなびというメディアは認知度が低いので、海外のOTA(オンライン旅行会社)と組んで、彼らのサイト上に事前予約できる日本の店を掲載するスタイルだ。
このサービスの最大の強みは、予約から決済まで全部サイト上で完了できることだ。日本に来たら、お店に行って飲食するだけ。追加の注文をしなければ日本で支払いは発生しない。メニューの説明や支払いなど、店頭でのやり取りを減らせることは客側にも飲食店側にもメリットがある。事前決済であれば、店はドタキャンのリスクも回避できる。
昨年12月からは、中国の口コミサイト「大衆点評」と「美団」を運営する、O2Oで中国最大手の美団点評とこの集客・予約・決済サービスで提携が始まった。2018年は提携先をさらに増強していきたい。
(『週刊東洋経済』12月30日ー1月6日号「トップに直撃」に加筆)
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