ぐるなびが飲食店の「SNS支援」までやる意味 1000人の営業人員で掘り起こす「業界の課題」

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ぐるなびの久保征一郞社長は自前主義だったサービス開発について、今後は積極的に他社と提携していくことを強調した(写真:梅谷秀司)

直近で新たに力を入れているのが、POS(販売時点情報管理)システムなどの業務支援サービスだ。当社には日々飲食店を回る1000人規模の営業スタッフがいる。彼らを軸に、飲食店で働くスタッフ自身も気づいていない課題を掘り起こし、販促以外の分野での新サービス開発につなげている。

人員確保の面では、外国人も含めた採用支援サービスや、従業員満足度向上のためのリサーチサービスを始めた。長く“自前主義”でサービス開発をしてきたが、自社ノウハウだけで手が届かない分野は他社と積極的に提携していく。

外食業界でIT化が遅れている要因とは?

──2017年10月からは予約受け付け・管理のIT化サービスの提供も始めました。

多くの飲食店の予約管理は、今でも紙のノートが中心だ。昔から使っていて安心感があるのはわかるが、字が汚くて後から読めなくなったり、予約履歴を探すのに時間がかかったりと不便な面が多い。IT化することで業務効率が格段に向上する。

さらに、予約データをPOSの決済データと組み合わせれば、誰が何をどれくらい食べたのかという貴重な情報が得られ、リピート販促にも生かせる。そうなれば、販促支援で成長してきたわれわれの本領を発揮できる。これはPOSレジや台帳だけを作る会社以上に、うちが強みを打ち出せる点だ。

──実際に提案を進める中で、飲食店からはどんな反応が?

どのサービスも飲食店に特化した機能を備えている点が好評で、徐々に普及が進んできている。従来の販促商品以外に武器を持つことは、当社にとっても意味が大きい。特に業務支援系のものは、現場の担当者だけでなく、今までは出てきてくれなかったお店のオーナーや社長が出てきて説明を聞いてくれる。お店とのパイプ、信頼関係が太くなれば、営業効率もさらに上がってくる。

──そもそも、外食業界でIT化が遅れている要因は何でしょうか?

経営の単位が小さすぎることは大きい。10店前後の中小チェーンや個店の経営者は、日々の業務に追われてしまい、新しい知識を身に付け、自らツールの導入を行う時間などない。

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