「子どもをほめる」ことは"仕組み化"できる 「いい習慣」はこうやって定着させる

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これは一例で、さまざまなツールがありますが、ぜひ、それを子どもを伸ばすためにも使ってみてください。ここまで見届けと声かけの継続について書いてきましたが、それ以外にも使えますので、いくつか実例を紹介します。

山本さんのケース

岡山県の山本さんの話です。山本さんは、自分が子どもを叱ってばかりだということを自覚していたので、「もっと子どもをほめたい」とずっと思っていました。でも、なかなか続きませんでした。そんなある日、私の講演を聞いてくれました。講演の中で、私は「子どもをほめて伸ばしたいというアバウトな気持ちでは続きません。ほめる時刻を決めてアラームにセットしましょう」という話をしました。それを聞いて、山本さんは「これだ!」と思ったそうです。

そして、「午後8時30分に子どもをほめる」と決意してスマホにセットしました。アラームが鳴ると、「あ、そうだ、まだほめてなかった。何かないかな?」という意識で子どもを観察したり、その日1日のことを振り返ったりするそうです。そして、何とか見つけ出してほめるそうです。

山本さんのママ友だちの中村さんには、保育園年中の男の子がいます。中村さんは、毎朝7時にスケジュールアプリのアラームをセットして子どもをハグしています。最近は子どものほうがその時刻を覚えて、アラームが鳴る前に自分からハグしてくるようになりました。朝の忙しい時間帯ですが、1分もかからないハグを毎日続けるようにしたら、子どもが以前より落ち着いてきたそうです。

さらに活用の幅を広げると、親子だけでなくあらゆる人間関係をよくするためにアラームを使うことができます。

・主婦だったら、毎日午前10時に姑さんにねぎらいのひと言を贈る
・夫から妻に、毎日午後9時に感謝とねぎらいのひと言を贈る
・夫だったら、毎週金曜日の午後5時30分に花を買って妻にあげる
・会社員だったら、毎日午後4時に上司にお世辞をひと言
・上司だったら、毎日午前11時と午後2時に部下をほめる
・先生だったら、毎日午前9時45分と午後4時30分にクラスの子どもをほめる

最後に、自分自身の努力の継続のためにもアラームを使うことができます。

・午後9時に瞑想
・午前11時45分に腹筋とスクワット
・午後8時に英語テキストを音読
・夕食後の午後7時から5分間片づけタイム
・午後10時に日記をつける

最後にまとめです。今回は、次の3つのためにITツールを活用する方法について書きました。ぜひ、実践してみてください。

1.子どもを伸ばす

2.いろいろな人間関係をよくする

3.自分自身の努力を継続する

親野 智可等 教育評論家

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おやの ちから / Chikara Oyano

長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。読者数は4万5000人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』など、ベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。ブログ「親力講座」もぞくぞく更新中。講演のお問い合わせとメルマガ登録は公式サイトから。Xで毎日発信中。

 

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