松村邦洋50歳、「8カ月で30キロ減量」の舞台裏 いったい、どんなトレーニングを行ったのか

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食いしん坊で多忙なメタボの50歳というステータス(ただし、松村さんはお酒は飲まない)にぴったり合うとは限らないにせよ、これだけの変身劇に勇気をもらった中年オヤジは少なくないのではないだろうか。

しかし、である。最終的に大きな減量に成功した松村さんだが、筆者はいくつかの疑問を持った。

実は筆者も食いしん坊なうえに多忙で、加えて、お酒が大好き。年齢も50歳と同じなだけでなく、ピーク時は身長179センチ、体重142キロ、体脂肪率42%という超メタボ状態だったからだ。現在は松村さんより数カ月早く始めた減量を1年ちょっと続けて90キロ、体脂肪率19%台まで落とした。よく似たステータスの変化であるため、長期にわたる減量になったことはよく理解できる。

しかし、一方で“うわさに聞く”ライザップのメソッドを8カ月も続けられるものなのかという疑問も感じた。

極端な低糖質の食事を長期間続けてよいものなのか? ライザップのプログラムでは耳にしない有酸素運動はしているのか? 有酸素と筋力トレーニングを組み合わせる場合、減量期と増量期を明確に分けたのか? 分けたのであれば8カ月はむしろ期間として短いのでは?

このように疑問を持っていたが、さらに松村さんがライザップでの減量を始める際、明確に“普通の体型”と目標を語っていたことにも興味を惹かれた。多くの人は、カッコいい体を手に入れるための“ボディメイク”がしたいわけではない。もちろん、減量に成功した後にボディメイクへと進む人もいるだろうが、メタボなオヤジの願いは年を重ねるごとにつらく、疲れやすくなる自分の体を“普通にする”ことで、より健康的・活動的な生活を手に入れることにある。

ではどのように松村さんは減量を行ったのか。ライザップ創業当時から参画してメソッドを開発、現在はメソッドの改良やトレーナー育成を手がけているスタジオ事業部教育ユニット長の幕田純氏、ライザップ創業初期から所属し松村さんの専属トレーナーとなったスーパーバイザーの松下裕樹氏に話を聞いた。

中年オヤジに希望の光を見せてくれるプログラム

取材から見えてきたのは、“2カ月で激ヤセ”というステレオタイプなライザップのイメージとは異なる、“健康的な体の獲得と長期的な体調の維持”を目的としたプログラムの組み方だった。そのプログラムは減量を希望する中年オヤジに希望の光を見せてくれるものだった。

“キツイ”“続けられない”と想像しがちなライザップのメソッドだが、その内容は自分でもできそうだと感じられるものだからだ。

週2回、50分の筋力トレーニングプログラムを2カ月続け、その間、極端な糖質ダイエットを行う。食事で減量を行いながら筋力トレーニングを併用することで、減量時にはどうしても落ちてしまう筋肉を可能なかぎり維持しながら同時に体重を減らす。筋肥大を極端に行わなくとも脂肪をそぎ落とせば体型は変化する。

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