どんな出来事があった?「2017年の鉄道業界」

豪華列車が話題を呼ぶ一方でトラブルも多発

阪急が計画するのは、同社の京都・宝塚・神戸線の3線が集まる十三(じゅうそう)と北梅田を結び、なにわ筋線に接続する「なにわ筋連絡線」。既存の阪急各線はJR・南海と線路幅が異なるが、連絡線はJR・南海に合わせた規格として、なにわ筋線と直通運転を行う構想だ。同社は以前から十三―新大阪間を結ぶ「新大阪連絡線」の路線免許を保有しており、なにわ筋連絡線と合わせて北梅田―十三―新大阪を結ぶ新線が誕生する可能性もある。

さらに阪急は、伊丹空港と宝塚線の曽根駅を結ぶ新線を検討していることも表明。10月には、再選された神戸市長が神戸市営地下鉄と阪急神戸線の直通運転について前向きな姿勢を示し、阪急側も「スピード感を持って協議していく」(阪急阪神ホールディングスの杉山健博社長)との見解を示した。いずれも課題は多いが、今後が注目されるプロジェクトだ。

災害による不通も相次ぐ

新線開業とは異なるが、災害で長期間不通となっていた路線の再開もあった。3月には2014年9月から不通だった大井川鉄道井川線の接岨峡温泉―井川間が、11月には2015年12月から不通だったJR山田線の上米内―川内間が再開。東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響により一部区間で不通が続くJR常磐線も、浪江―小高間、竜田―富岡間で運転を再開し、残るは富岡―浪江間20.8kmとなった。

だが、2017年も自然災害による鉄道への影響は各地で相次いだ。福岡県、大分県に大きな被害をもたらした7月上旬の九州北部豪雨ではJR九州の各線が被災。さらに、9月の台風18号でも大きな被害が出た。

同台風による土砂崩れなどで不通となっていた日豊本線の臼杵―佐伯間は12月18日に運転を再開したが、久大本線の光岡―日田間、日田彦山線の添田―日田間は現在も不通が続いており、2016年の熊本地震で被災した肥後大津―阿蘇間を含む3区間が災害による運休を余儀なくされている。日田彦山線については、JR九州が単独での復旧は困難との見解を示しており、災害がローカル線維持をめぐる課題を浮き彫りにした格好だ。

また、10月下旬には台風21号の影響で南海電鉄本線の樽井―尾崎間にある鉄橋の線路がゆがみ、完全復旧まで約1カ月を要したほか、高野線の高野下―極楽橋間は土砂崩れにより現在も不通が続いている。

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