どんな出来事があった?「2017年の鉄道業界」 豪華列車が話題を呼ぶ一方でトラブルも多発

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2017年の鉄道界を賑わせた豪華クルーズ列車。JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」(右)と、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(左)(撮影:尾形文繁)

JRの発足から30周年を迎え、日本の鉄道にとっては一つの節目の年だった2017年。新幹線の新線開業のような大イベントこそなかったものの、JR東日本とJR西日本による豪華クルーズ列車の登場や、大手私鉄各社による「座れる通勤列車」運転の動きがさらに広がるなど、鉄道が世間の話題となる出来事は多かった。

一方、今年も台風などの自然災害による運休が各地で発生。架線のトラブルなど、鉄道側の要因による長時間の運転見合わせも目立った。12月には新幹線「のぞみ」の台車枠に亀裂が入るトラブルが発生、新幹線としては初めての「重大インシデント」に認定される事態も起きた。

豪華クルーズ列車の競演

2017年の鉄道業界を賑わせたニュースの中でもっとも華やかな話題は、なんといってもJR東日本の「TRAIN SUITE四季島」、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS瑞風(みずかぜ)」という2大豪華クルーズ列車のデビューだろう。

「四季島」のラウンジカー(上)と「瑞風」のラウンジカー(下)の車内(撮影:尾形文繁)

5月1日から運行を開始した、金色に輝く車体の「四季島」は、フェラーリのデザインを手掛けたことでも知られる工業デザイナーの奥山清行氏がデザインを担当。客室は17室で、最高級の「四季島スイート」に畳を使用するなど日本の伝統を各所に取り入れつつ、全体的にモダンな印象だ。

一方、6月17日に運行を開始した「瑞風」は、かつての寝台特急「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継いだ緑色の外観が特徴。こちらは全16室で、「上質さの中の懐かしさ」がコンセプトという通り、歴史ある高級ホテルを思わせるクラシックな印象のインテリアだ。

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