どんな出来事があった?「2017年の鉄道業界」 豪華列車が話題を呼ぶ一方でトラブルも多発
S-TRAINはみなとみらい線・東横線・副都心線にとって初の座席指定列車となったが、同様に初の座席指定車両を8月から導入したのが京阪電鉄だ。特別料金不要の特急列車に、指定席の「プレミアムカー」を1両連結。2+1配列のゆったりしたシートを400~500円で利用できるとあって、登場以来人気を集めている。朝の通勤時間帯には、枚方市・樟葉から淀屋橋行きの座席指定列車「ライナー」の運行も開始した。
京王電鉄も初の座席指定列車を2018年春から運行する。同列車用の新型車両5000系は一足早く2017年9月末に登場。西武の「S-TRAIN」に使われる40000系と同様、ロングシート・クロスシート転換式の座席を備えるが、本格デビュー前の現在はロングシート状態のみで運転している。
座席指定列車の停車駅や料金、愛称は年明け以降に発表される予定。京王線と主に新宿―多摩センター間で競合する小田急電鉄は、複々線化の完成に合わせて2018年3月にスピードアップや増発を伴う大規模なダイヤ改正を実施する。両社の競争が本格化しそうな中、座席指定列車は京王の「武器」になるだろうか。
廃線が復活、新線構想も続々…
新幹線の開業が続いた過去2年に比べると、2017年の新線開業はJR西日本の可部線・可部―あき亀山(ともに広島市)間の1.6kmと小規模だった。だが、同区間は2003年に廃止された区間の一部復活にあたり、JRが廃止した区間をJR線として再開したのはこれが初めて。沿線住民らによる電化・延伸を求める運動が実った形で、距離は短いが大きな意義のある開業だったといえるだろう。
一方、関西では新線計画に関するニュースが相次いだ。その話題の中心となったのは阪急電鉄だ。同社は3月、大阪府・大阪市・JR西日本・南海電鉄が実現に向けて協議を進めてきた「なにわ筋線」に接続する新線の計画を表明し、注目を集めた。
なにわ筋線は、大阪駅の北側で建設中の北梅田駅(仮称)と難波方面を結ぶ路線。難波方面は二手に分かれてJRと南海に接続し、両社の関西空港アクセス列車が乗り入れる。北梅田―新大阪間ではJRが東海道線の支線を地下化する工事を進めており、列車は同線に直通して新大阪と関空方面を乗り換えなしで結ぶ予定だ。
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