3度目の消費増税「延期」はもうない?
12月22日、2018年度予算政府案が決定された。一般会計の歳出総額は97兆7128億円と、過去最大の規模となった。2018年度予算案の特徴は何か。その内容は何を意味するだろうか。
一般会計の歳出総額が、2017年度当初予算の97兆4547億円から2581億円増えたが、最大の要因は、社会保障関係費が昨年度に比べ4997億円増えたことである。やはり高齢化の影響を受けた社会保障給付の増加が顕著だ。ほかに増加した歳出項目は、防衛関係費が660億円、文教および科学振興費が79億円となっている。厳しさを増す安全保障環境への対応など、安倍晋三内閣として予算の力点が窺える。
他方、減額された歳出項目で目立つのは、国債費で2265億円の減少、地方交付税等で521億円減、といったところである。昨今の国債金利の情勢や景況を反映した地方税収の増加を受けての減額である。
基礎的財政収支はやや改善したが…
税収が増加すると見込むのは、一般会計の国税もそうだ。昨年度と比べて1兆3670億円増加すると見込む。その他収入が4313億円減ることを合わせると、差し引き9357億円の収入増が見込まれる。
では2018年度予算案で、この9400億円をどう使ったか。まず6800億円を国債発行の減額に使った。残る2600億円を前述の歳出増に充てた。1兆円近い収入増について、7割を国債発行の減額に、3割を歳出増に充てたという算段だ。
こうした予算編成の結果、注目される基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、どうなったか。一般会計の基礎的財政収支は、2017年度当初予算の10.8兆円の赤字から、2018年度予算案では10.4兆円の赤字と、赤字が4000億円減ることになった。
この収支改善をどう見るかが問題だ。2017年7月に内閣府が公表した「中長期の経済財政に関する試算」によると、2018年度の一般会計の基礎的財政収支は10.5兆円の赤字と試算していたから、それと比べると0.1兆円多く赤字を縮小できたといえる。加えて、2015年6月に閣議決定された「経済・財政再生計画」で”目安”とされた一般歳出(政策的経費)の伸びを5300億円に抑えられ、社会保障費の伸びを約5000億円に抑えることができた予算案となっている。
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