「江の島」台風被害は観光に打撃を与えている イルミネーション「湘南の宝石」への影響は?
毎年恒例のライトアップイベント「湘南の宝石」が開催され、多くの観光客でにぎわう湘南を代表する観光地・江の島だが、今年(11月25日~2月18日)は手放しで喜べない事情がある。
江の島島内の人気スポットの1つである「岩屋洞窟」を含む島の沿岸部が、10月の台風21号による高潮・高波の被害を受け、被害の大きかった岩屋洞窟は未だに復旧工事に着手できていない状況なのだ。
まずは、今回の台風による江の島の被害の状況を整理しよう。大きな被害が発生したのは、湘南港を中心にヨットハーバーが集まる島の南東部エリアと、普段は観光客や磯釣り客でにぎわう島の南西部エリアだ。南西部エリアには、波の浸食によってできた「稚児ヶ淵」と呼ばれる海蝕台地(岩場)や、「岩屋洞窟」と呼ばれる2つの海蝕洞窟がある。
前者の湘南港を中心とするエリアでは、防波堤近くの駐車場のアスファルトがはがれ、ヨットハーバーでヨットが転倒したり、コンテナが道路まで流されるなどの被害が発生したが、すでに黒岩祐治県知事の視察の様子を含め詳細が報じられている。そこで、本稿では、主に後者の稚児ヶ淵、岩屋洞窟を中心とする南西部エリアに関し、今後の対応について、管轄する藤沢市に取材した。
具体的な被害は?
稚児ヶ淵、岩屋洞窟に向かうには、片瀬海岸と江の島を結ぶ「江の島弁天橋」から稚児ヶ淵を結ぶ遊覧船「べんてん丸」を利用する海路と、島の西に位置する江島神社奥津宮境内から石段を下りて向かう陸路がある。取材した12月12日現在、遊覧船は運休中、陸路は石段を下りた付近に工事用フェンスが設置されており、立ち入ることができなくなっている。
同エリアで被害が発生している主な施設は、稚児ヶ淵レストハウス、岩屋洞窟、および岩屋洞窟の付帯施設である通路などだ。
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