小泉進次郎の小委員会は「例外」だらけだった 自民党若手20人が大激論!舞台裏を証言する

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小泉小委員会では、毎週のように2時間近く、たっぷりと議論を交わしていました。参加した議員が、他の議員がどんな考えを持っているのかをこの委員会を通じて初めて知ったと口々に漏らしていたのが印象的でした。

多様な考えを持った議員が集まっていたので、議論がぶつかり、ヒートアップすることが頻繁にありましたね。

「大変失望している」

――500日の激闘の中で、一番印象に残ったシーンについて教えてください。

小委員会の提言として「レールからの解放」という文章をまとめたのですが、この草案を最初に議員たちに披露する際、発表の役を任されました。

議員たちは、こういう文章を共有したり検討したりする際、書かれた文章を読むのではなく、誰かの音読を聞くのです。言葉を大切にする人たちですし、おそらく耳で聞いて適切かどうかを判断しているのでしょう。

これは本にも書きましたが、読み上げた直後、ある議員に「大変がっかりした」と酷評されました。自分で書いた文章じゃないとも言えず、「ツラいなぁ」と思ったのを鮮明に記憶しています(笑)。

ですがその直後、別の議員は「完璧だと思っている」と反論し、議員たちは侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を始め、最終的に発表された形にとりまとめていきました。これは、私が議員に対して持っていたイメージと大分違っていました。

細かいことは官僚に任せていて、議員自体は明確な意見を持っていない、というのが世間一般の認識ではないでしょうか。

私自身もこの議論の場を見て驚きました。何しろ、仲間がつくってきた提案を聞いて、一言目に「大変失望している」ですから。しかし最後は1つの考えにまとめあげ、決まった以上は従うという姿勢があることには爽やかさも感じました。

――500日間、小泉議員たちを見てきて、日本の将来の課題をどう捉えているように感じましたか?

この500日の間に、小泉さんは海外のことを強く意識するようになったと感じています。

イギリスではEU離脱が国民投票で決定し、アメリカでは既存の政治家ではないトランプ大統領が就任するなど、後の世で間違いなく歴史の転換点として語られる出来事が起きたのも、小委員会が開催されている最中でした。

500日の間に、これらを意識した発言が増えていき、「海外の事案も対岸の火事ではなく、いずれ日本の問題になる」といった発言が増えるようになりました。今すぐではないものの、世界の激変の渦に日本もいずれ必ず飲み込まれるということを、強く意識し始めたようです。

10月に行われた衆議院選挙の後のテレビ番組で、池上彰氏から「政治家の顔になってきた」と言われた小泉さんは、トランプ、プーチン、習近平、金正恩など、一癖も二癖もある世界のリーダーと伍していくためには、綺麗事ではいられない、と返していました。

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